ジフェニルアミン(読み)じふぇにるあみん(英語表記)diphenylamine

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジフェニルアミン」の意味・わかりやすい解説

ジフェニルアミン
じふぇにるあみん
diphenylamine

芳香族アミンの一つ。アニリンの塩酸塩と小過剰のアニリンの混合物を、圧力をかけながら加熱すると得られる無色結晶芳香がある。塩基性は弱い。水には溶けないが、エタノールエチルアルコール)、エーテルベンゼンなどによく溶ける。濃硫酸溶液に硝酸イオンや亜硝酸イオンを加えると濃青色を呈するので、これらのイオンの検出剤として使われる(ジフェニルアミン反応)。また核酸の定量試薬としても使われる。アゾ染料の合成中間体、ニトロセルロースセルロイドの安定剤として用いられる。発癌(はつがん)性が認められている。

[務台 潔]


ジフェニルアミン(データノート)
じふぇにるあみんでーたのーと

ジフェニルアミン

 分子式 C12H11N
 分子量 169.2
 融点  55℃
 沸点  302℃

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジフェニルアミン」の意味・わかりやすい解説

ジフェニルアミン
diphenylamine

芳香をもつ結晶。化学式 C6H5NHC6H5 。アニリンから合成される。融点 54℃。強酸と塩をつくる。染料中間体として重要である。硝酸イオン,塩素酸イオンなどの酸化剤分析に硫酸とともに用いられる。

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