芳香族アミンの一つ。アニリンの塩酸塩と小過剰のアニリンの混合物を、圧力をかけながら加熱すると得られる無色の結晶。芳香がある。塩基性は弱い。水には溶けないが、エタノール(エチルアルコール)、エーテル、ベンゼンなどによく溶ける。濃硫酸溶液に硝酸イオンや亜硝酸イオンを加えると濃青色を呈するので、これらのイオンの検出剤として使われる(ジフェニルアミン反応)。また核酸の定量試薬としても使われる。アゾ染料の合成中間体、ニトロセルロースやセルロイドの安定剤として用いられる。発癌(はつがん)性が認められている。
[務台 潔]
C12H11N(169.22).(C6H5)2NH.アニリンと塩酸アニリンとの等モル混合物をオートクレーブ中で加熱すると得られる芳香族第二級アミン.葉状晶.融点54 ℃,沸点302 ℃.密度1.16 g cm-3.アルコール類に易溶.その濃硫酸水溶液は,微量の硝酸または亜硝酸によって青色を呈するので,これらの検出に用いる.工業的には,染料や医薬品の中間物として用いられる.[CAS 122-39-4]
出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
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