ジュニアカレッジ(英語表記)junior college

翻訳|junior college

デジタル大辞泉 「ジュニアカレッジ」の意味・読み・例文・類語

ジュニア‐カレッジ(junior college)

米国の2年課程大学
日本短期大学俗称

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「ジュニアカレッジ」の意味・読み・例文・類語

ジュニア‐カレッジ

  1. 〘 名詞 〙 ( [英語] junior college )
  2. アメリカ合衆国における二年制の大学。
  3. 日本の短期大学の俗称。

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

改訂新版 世界大百科事典 「ジュニアカレッジ」の意味・わかりやすい解説

ジュニア・カレッジ
junior college

アメリカの2年制高等教育機関。戦後日本の短期大学の一つのモデルとなった。20世紀初頭に出現,1920年代に急速に発展する。これは青年期問題が社会問題化した時期とも重なる。アメリカにおける中等教育普及ののち,増加したハイ・スクール卒業後の失業青年,地元に上級学校がなく進学先に恵まれない地方の青年たちを受けいれる場となり,専門と教養に関する教育を短縮した形で与え,高等教育を大衆に近づきやすくするとともに青年にモラトリアム延長機会を与えた。これは見方によっては中等教育の延長にすぎない。4年制の大学に進学する者もあるが,おもな目的は完成教育である。地域社会に密着した公立コミュニティ・カレッジ形態をとるものが多く,この種のものは成人教育機関の性格を帯びつつ,50-60年代以降増加しつづけている。入学試験はなく,授業料も無料か無料に近く,地域住民の進学要求を満たしている。
執筆者:

出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報

大学事典 「ジュニアカレッジ」の解説

ジュニア・カレッジ

アメリカ合衆国で成立した短期高等教育機関。1891年,シカゴ大学の初代学長ハーパーは学士課程を2分し,第1・第2学年の修了者に対して第3学年への進学のための資格証を授与,同時に近郊の公立ハイスクールに増設された2年制の卒業後課程の修了者に対しても,シカゴ大学の第3学年への編入を認めるという構想を発表した。この背景には,アメリカの大学教育の第1・第2学年はヨーロッパでは中等教育に属するものであり,大学からこの部分を切り離すことで大学教育のレベルアップをはかるという大学教育観があった。2年制の卒業後課程は,1920年代に独立したジュニア・カレッジとなるが,その教育課程はハイスクールが立地する地域社会の要請に応じた職業教育等の課程も含むものとなった。ジュニア・カレッジは第2次世界大戦後,より総合的な教育機関コミュニティ・カレッジとして,急速な発展をとげることになる。
著者: 坂本辰朗

出典 平凡社「大学事典」大学事典について 情報

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジュニアカレッジ」の意味・わかりやすい解説

ジュニア・カレッジ
junior college

アメリカの短期高等教育機関の一種。ハイスクール修了者に2年の高等教育の機会を提供するもの。公立のジュニア・カレッジはコミュニティー・カレッジと呼ばれ,多くの点で公教育体系の延長と考えられている。職業的,半専門的内容の完成教育を主目的とするが,大学課程の初めの2ヵ年の課程を提供する場合もある。

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

世界大百科事典(旧版)内のジュニアカレッジの言及

【コミュニティ・カレッジ】より

…授業は昼間・夜間を通して行われ,(1)4年制大学後期課程への編入コース,(2)各種資格取得のための職業教育コース,(3)地域住民の学習要求にこたえる地域サービス・コースの3コースがある。歴史的には,20世紀初頭とくに1920年代に入って発展したジュニア・カレッジが大衆化されたものであり,1965年の高等教育法を契機に飛躍的に拡充された。州によって形態(財政・運営等)は多少異なるが,代表的なカリフォルニア州のコミュニティ・カレッジは,人口20万前後に1校,すでに100校以上設立され,住民の公選による大学理事会によって管理・運営されている。…

【短期大学】より

…略称,短大。第2次世界大戦後の教育改革により大学は4年制を原則とすることになったが,その基準に達せず,しかも価値ある旧制専門学校を存続させるため,アメリカのジュニア・カレッジ制度を参考に1950年度から暫定的制度として発足した。その発足には,実際的な専門職業教育や中堅的社会人養成の要求も反映していた。…

※「ジュニアカレッジ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

今日のキーワード

世界の電気自動車市場

米テスラと低価格EVでシェアを広げる中国大手、比亜迪(BYD)が激しいトップ争いを繰り広げている。英調査会社グローバルデータによると、2023年の世界販売台数は約978万7千台。ガソリン車などを含む...

世界の電気自動車市場の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android