一般教養(読み)いっぱんきょうよう

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

一般教養
いっぱんきょうよう

職業的専門的知識技能に対し,広く人間として共通にもつべき教養。ギリシア時代の自由教育を原型とするヨーロッパにおける伝統的な概念で,時代により,その時代の特徴を反映したいろいろな様態を示したが,人間の普遍的,全体的,調和的完成を目指す点では一貫していた。元来,教養の主体は知識階級に限られ,したがって内容的に高い知性を必要とし,貴族的性格は否めなかったが,J.ペスタロッチや F.フレーベルらはこの高踏性を排し,一般大衆の人間性の開発のための基礎陶冶として,知性のみならず情操労作を含めた新しい教養を主張した。すべての人間が法的に平等を保障され,かつなんらかの職業につくことを要求される現代では,専門知識との関係において,一般教養はさらに新たな展開をとげることを求められている。

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デジタル大辞泉の解説

いっぱん‐きょうよう〔‐ケウヤウ〕【一般教養】

専門的、職業的教養に対して、広く一般に必要とされる教養。
大学で、すべての学生に課せられる、専門教科以外の人文科学社会科学自然科学に関する基礎教養。俗に般教(ぱんきょう)ともいう。

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百科事典マイペディアの解説

一般教養【いっぱんきょうよう】

専門的知識や職業的技能と異なり,人間として持つべき基本的教養のこと。古代ギリシア・ローマで自由市民層が持つべき教養として自由学芸が成立し,それが近代の人文主義的伝統に受け継がれて定着した。制度的には,西欧中世後期に大学が成立したときに,基礎的学部として学芸学部が構成され,その理念がその後アメリカに影響を与えて大学の一般教育となった。日本の大学でも,第2次大戦後に専門教育の前段階としての一般教育がおこなわれたが,近年は専門教育と一般教育の区別を廃止する傾向にある。
→関連項目カレッジ

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大辞林 第三版の解説

いっぱんきょうよう【一般教養】

広く人間として要求される教養。また、専門的教養の基礎としての広い教養。
一般教育」に同じ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

一般教養
いっぱんきょうよう

特定の職業や専門の枠を超えて、広く人間として、また社会人としてもつべき知識や技能をさす。生活に直接役だてているという即時的なものではなく、精神を深め豊かにすることを目的とし、人生をより意義深くする観点から主張された。古代ギリシアの自由人がもつべきとされたエンキュクリオス・パイデイアε’γκκλιο παιδεαつまり一般的教養ないし一般的教育に起源をもつ、ヨーロッパにおける伝統的な人間教養の理想となっている概念である。ルネサンス期の人文主義および18世紀の新人文主義にその思想が復活、発展した。現代では、科学技術の発展によって人文と科学との関係および知識の専門化の点から、一般教養の意義が現代的展開を遂げるよう迫られている。[諏訪内敬司]

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