ガベス(その他表記)Gabès

デジタル大辞泉 「ガベス」の意味・読み・例文・類語

ガベス(Gabès)

チュニジア東部の港湾都市地中海ガベス湾湾奥に位置する。フェニキア人が築いた植民都市起源する。古代ローマ時代はタカペとよばれ、地中海と内陸を結ぶ交易拠点として栄えた。1980年代、ガベス湾で油田ガス田が発見され、同国有数の工業都市に発展した。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ガベス」の意味・わかりやすい解説

ガベス
Gabès

アラビア語ではカービス Qābis。チュニジア中南部,ガベス県の北東部,ガベス湾に沿ったオアシスにある県都。同国の鉄道網の最南端に位置する。古代ローマの交易港タカペとして建設され,トルコ支配下ではいくぶん衰退した。 1881~1955年はフランスの保護領となり,鉄道が開通し,築港が行われて多少繁栄を取戻したが,現在は湾の北岸のスファクスに取って代られ,わずかにナツメヤシ輸出の小港になってしまった。むしろチュニスからリビアトリポリに向う地中海沿岸ハイウェーの宿泊地として有名で,冬の快適な気温と,内陸のオアシスの魅力が評価されている。 69年からリン鉱石処理と硫酸生産の一貫工場が建設され,ガベス地方開発計画の中心になっている。町の周辺では,果物の生産や織物工業が行われ,漁業も行われる。人口8万 3610 (1989推計) 。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガベス」の意味・わかりやすい解説

ガベス
がべす
Gabès

北アフリカ、チュニジア中東部の工業・港湾都市。地中海沿岸、ガベス湾の湾奥に位置する。人口9万8900(1994)。ローマ時代の港タカペTacapeの跡に中世になって商港が建設された。その後、地中海とスーダン地方を結ぶ交易が廃れて衰微し、植民地時代はフランス軍の駐屯する軍事都市であった。独立後、北側に新港を建設し燐(りん)鉱石の輸出港となり、ガベス海底ガス田やボルマ油田から天然ガスの供給を受け、新港沿岸に化学工業団地が建設された。チュニスからの鉄道の終点である。

[藤井宏志]

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百科事典マイペディア 「ガベス」の意味・わかりやすい解説

ガベス

チュニジア中部,ガベス湾岸の都市。ナツメヤシ,オリーブ,ブドウ酒,皮革などを輸出。北部からの鉄道の終点。空港がある。起源はフェニキアの植民市で,古代にはタカペと呼ばれた。13万人(2014)。

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