スーダン地方(読み)スーダンちほう(英語表記)Sudan

翻訳|Sudan

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スーダン地方」の意味・わかりやすい解説

スーダン地方
スーダンちほう
Sudan

12世紀以来使用された地理学上の用語で,アフリカ大陸の北はサハラ砂漠,南は熱帯雨林地域に挟まれ,西は大西洋から東はエチオピア高原を越えて紅海,インド洋まで帯状に横たわる地域を呼ぶ広義呼称草原と,アカシアなどの疎林からなるサバナで,年降水量 100mm(北部)~1500mm(南部)。東部山地を除くと,ほとんど標高 300~500m。アラビア語で「黒い人々の国々」を意味し,サハラ以南の呼び名であったが,15世紀以後,帯状地域に限定された。紀元前からインド洋づたいに,あるいはサハラ砂漠を越えて,北方の工芸品,塩などと,南方の金,奴隷,象牙,コーラナッツなどの交易が行なわれていたが,5世紀頃からベルベル人の移住もあり,10世紀頃からは強力なイスラム王朝が盛衰した。民族的,言語的にはハム=セム系の影響がみられ,南方のバンツー系と異なる。遊牧とともに,雑穀栽培を中心とする農業が分布する。文化的にもイスラム・アフリカとでも呼ぶべき特色をもつ。19世紀に入ると,ほとんどがイギリスフランス植民地として分割されたが,1965年のガンビア最後にいずれも独立し,東部がスーダンとして国名にこの名を付した。

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