ガラスセラミックス(読み)がらすせらみっくす(英語表記)glass-ceramics

デジタル大辞泉 「ガラスセラミックス」の意味・読み・例文・類語

ガラス‐セラミックス(glass ceramics)

通常のガラスが非晶質であるのに対し、紫外線照射あるいは熱処理などによって微結晶を発生させ、結晶粒子の集合体としたガラス。強度・耐熱性にすぐれ、理化学用の耐熱材、人工衛星材料などに使用結晶化ガラスセラミックガラス

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ガラスセラミックス」の意味・わかりやすい解説

ガラスセラミックス
がらすせらみっくす
glass-ceramics

特殊組成のガラスを成形したのち再熱処理によって微結晶体化したもので、一般に滑らかで光沢のある表面をもち、透明なもの、乳白色のもの、あるいは模様を焼き付けたものなどがある。結晶化ガラスともいう。1957年にアメリカのコーニング社から「鉄よりも強くアルミニウムより軽い」という宣伝文句で発表されたパイロセラムが最初の製品。ガラスのように均質でなく、微結晶体であるため、表面からの亀裂(きれつ)が進みにくく、一般に元のガラスより割れにくく強度が高い。また析出結晶を選ぶことにより、熱膨張係数をゼロまたは負にすると温度の急変に耐える耐熱衝撃性の高いものも得られる。耐熱食器、精密軸受、耐熱窓、絶縁材、低温封着材などに用いられる。結晶相は製品によって異なるが、主要なものは、高温型石英クリストバライトコランダムリチウムアルミノケイ酸塩などであるが、多種多様の結晶を含むガラスセラミックスがある。さらに、結晶の光学的性質を利用して、ガラス単独では得られない光学特性をもつ材料も得られている。

[境野照雄・伊藤節郎]


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化学辞典 第2版 「ガラスセラミックス」の解説

ガラスセラミックス
ガラスセラミックス
glass-ceramics

結晶化ガラスともいう.ガラスとして成形したのち,再熱処理により,大部分を μm 単位微結晶質にしたセラミックスをいう.一般には,機械的強度はガラスより高く,熱膨張係数は低く,なかにはゼロまたは負のものもある.薄肉に成形できて熱衝撃に強く,耐熱性も高いことから,直火用調理器具などに用いられている.析出結晶の大きさによりほとんど透明なもの,あるいは機械的成形の容易なものも発表されている.製造原理ははじめは感光性ガラスに準じていたが,のちに結晶核剤としてTiO2,ZrO2,そのほかが出現して,紫外線照射が不必要となった.また,組成的にはチタン酸塩,ニオブ酸塩などへも広がり,強誘電材料などへの利用も関心をもたれている.[別用語参照]耐熱性ガラス

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ガラスセラミックス」の意味・わかりやすい解説

ガラスセラミックス

「デビトロセラミックス」のページをご覧ください。

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世界大百科事典(旧版)内のガラスセラミックスの言及

【デビトロセラミックス】より

失透devitrification現象を利用してガラスを結晶化することによって作られたセラミック材料。結晶化ガラス,ガラスセラミックスglass ceramicsともいう。成形が容易であるというガラスの利点を生かしながら,結晶化させることによって,耐熱性,機械的強度,電気的物性などの機能を向上させることができる。…

※「ガラスセラミックス」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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