キトサン

デジタル大辞泉 「キトサン」の意味・読み・例文・類語

キトサン(chitosan)

カニエビ昆虫などの外骨格や、微生物キノコ細胞壁を構成するキチン分解産物。肥料化粧品添加剤として用いられるほか、生体内で分解・吸収される点を利用して手術用の糸などに用いられる。

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化学辞典 第2版 「キトサン」の解説

キトサン
キトサン
chitosan

β-1,4-poly-D-glucosamine.ヒゲかびPhycomyces olakesleeonusに含まれる.キチン高温アルカリ処理した脱アセチル化物.白色の無定形粉末.酸性水溶液に可溶.酸性でヨウ素作用させると紫色に呈色する.硫酸エステルの抗凝血作用はヘパリンに比べて半分である.水処理の際の凝集剤,写真乳剤,染料,傷の治療などに用いられる.[CAS 9012-76-4]

出典 森北出版「化学辞典(第2版)」化学辞典 第2版について 情報

漢方薬・生薬・栄養成分がわかる事典 「キトサン」の解説

キトサン【chitosan】

不溶性食物繊維のひとつ。かにやえびの甲殻、いかの骨格、きのこなどから抽出されるキチンからアセチル基(CH3CO-)をはずす脱アセチル化を行い、精製される。ただし脱アセチル化は完全には行えず、精製してもキチンが2、3割残るので、一般的には、キチン・キトサンと併記する。キトサンには、血中コレステロールを低下させる作用があり、健康食品として利用されるほか、手術用縫合糸人工皮膚に最適な素材とされ、化粧品をはじめさまざまに活用されている。⇒キチン

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「キトサン」の意味・わかりやすい解説

キトサン
chitosan

グルコースの誘導体であるNアセチルDグルコサミンの重合体で,化学構造がセルロースに似た多糖類をキチンといい,その脱アセチル化物をキトサンという。カニ,エビなどの甲殻類や昆虫の外皮,菌類の細胞壁の主要な構成成分で,地球上で年間約 1000億tが生物生産されており,未利用の最後の天然資源といわれている。特異な機能をもつ素材として注目を集めており,人工皮膚,体内吸収タイプの縫合糸,シャンプー,リンスなどが開発されたほか,抗癌剤や止血剤などの医薬品,衣料用素材などの開発が急ピッチで進んでいる。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「キトサン」の意味・わかりやすい解説

キトサン
きとさん

キチン

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栄養・生化学辞典 「キトサン」の解説

キトサン

 キチンの脱アセチル化物で,グルコサミンが主たる構成糖.

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