アミノ糖の一種。ヘパリンやヒアルロン酸などのグリコサミノグリカンに構成成分として含まれる。グリコサミノグリカンは関節や皮膚などの結合組織を柔軟に保持し、同時に保湿の役割を果たしている。またグルコサミンは糖タンパク質や糖脂質の糖鎖の構成成分でもあり、体内ではN-アセチルグルコサミンの形で存在している。自然界ではエビやカニをはじめ甲殻類の甲らなどのキチンの主要成分として多量に存在している。また貝の殻や動物の骨、一部の細菌の細胞壁などにも存在する。
体内でのグリコサミノグリカンの合成は加齢に伴って徐々に減少し、結果として各所の関節痛や皮膚の老化などさまざまな加齢現象をもたらす。コンドロイチンが関節部分の軟骨に弾力性をもたせ、骨どうしの摩擦を防ぐ役割をもつのに対し、関節軟骨に含まれるグリコサミノグリカンの構成成分であるグルコサミンは、軟骨そのものを修復・再生する働きをもち、変形性関節症などによる関節痛などに有効であるとされ、グルコサミンを含んだサプリメントが多数販売されている。近年の研究では、変形性関節症への効果のみならず、関節炎や関節リウマチに対する抗炎症効果、血小板凝集を抑制することによる血栓予防効果など、細胞機能調節の役割も期待されている。
[編集部]
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報
出典 株式会社平凡社百科事典マイペディアについて 情報
10/29 小学館の図鑑NEO[新版]動物を追加
10/22 デジタル大辞泉を更新
10/22 デジタル大辞泉プラスを更新
10/1 共同通信ニュース用語解説を追加
9/20 日本大百科全書(ニッポニカ)を更新