ギンザンマシコ(その他表記)Pinicola enucleator; pine grosbeak

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ギンザンマシコ」の意味・わかりやすい解説

ギンザンマシコ
Pinicola enucleator; pine grosbeak

スズメ目アトリ科。全長 20~25cm。雌雄異色。頭部と喉から腹,背が,雄は淡紅色,雌はオリーブ色がかった黄色。そのほかの羽色は雌が黄みを帯びているが,雌雄は似ていて,肩と脇,下尾筒が灰色は黒く 2列の白帯があり,各羽毛の先端側の縁が淡褐色から白色になる。は灰黒色で,太くて短い。尾羽は黒く,先がくの字に切れ込んでいる。繁殖地は寒帯冷帯高山針葉樹林で,ユーラシア大陸ではスカンジナビア半島からオホーツク海沿岸に,北アメリカではアラスカ半島から南はロッキー山脈,東はカナダのノバスコシア州,アメリカ合衆国のメーン州に及ぶ。生息地の多くでは留鳥だが,食べ物が不作の年には豊作の地方へ移動する。北部や高山では夏鳥(→渡り鳥)で,越冬には生息地の南部や平地へ渡る。日本では北海道の高山のハイマツ帯で繁殖し,冬季には低地針葉樹林に移動する。種子漿果(→液果),葉,昆虫などを食べ,冬期にはまれに平地の市街地でも見られ,本州に迷行した記録がある。「ぴゅる,ぴゅる,ぴゅる」と聞こえる美しい声でさえずる(→さえずり)。

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関連語

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ギンザンマシコ」の意味・わかりやすい解説

ギンザンマシコ
ぎんざんましこ / 銀山猿子
pine grosbeak
[学] Pinicola enucleator

鳥綱スズメ目アトリ科の鳥。全長約20センチメートル。ユーラシアと北アメリカの亜寒帯針葉樹林帯にすむが、日本では北海道の大雪山(たいせつざん)のハイマツ帯に限って繁殖している。針葉樹の球果の種子を常食する。

[竹下信雄]


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小学館の図鑑NEO[新版]鳥 「ギンザンマシコ」の解説

ギンザンマシコ
学名:Pinicola enucleator

種名 / ギンザンマシコ
目名科名 / アトリ科
解説 / 北海道の山で繁殖し、冬には平地に移動します。
全長 / 20cm
食物 / 果実
分布 / 北海道にすむ留鳥
環境 / 高山で繁殖、平地で越冬
鳴声 / ピュルピュルピュロリ

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世界大百科事典(旧版)内のギンザンマシコの言及

【マシコ(猿子)】より

…元来はニホンザルの異称であった。マシコと呼ばれる鳥にはハギマシコLeucosticteベニマシコUragus(イラスト),マシコCarpodacus,オガサワラマシコChaunoproctus,ギンザンマシコPinicolaなどの属のものがあり,いずれも独特の赤色の羽色をもっている。これがニホンザルの顔の色に似ているところからマシコの名がでているが,特定の分類群を指すものではない。…

※「ギンザンマシコ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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