クルレジャ(読み)くるれじゃ(英語表記)Miroslav Krleža

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「クルレジャ」の意味・わかりやすい解説

クルレジャ
Krleža, Miroslav

[生]1893.7.7. ザグレブ
[没]1981.12.29. ザグレブ
クロアチア詩人劇作家,小説家。現代クロアチアを代表する作家で,クロアチア文化の推進者。ブダペストの陸軍大学を卒業後,第1次世界大戦には一兵卒として参加し,この間に表現主義的手法による戯曲『伝説』 Legenda (1914) ,『ミケランジェロ・ブオナロッティ』 Michelangelo Buonarotti (19) ,詩集『パン』 Pan,『三つの交響楽』 Tri simfonije (17) などを発表。以後,詩,劇作,小説,評論の分野で精力的な活動を展開。代表作に,戦争の悲劇を描いた小説『クロアチアの神マルス』 Hrvatski bog Mars (22) ,ブルジョアジーの崩壊を描いた小説『フィリップ・ラティノビッチの帰還』 Povratak Filipa Latinovića (32) ,同じテーマの戯曲『ゴルゴタ』 Golgota (22) ,『グレンバイ家の人々』 Gospoda Glembajevi (28) など。ほかに多くの評論,旅行記がある。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「クルレジャ」の意味・わかりやすい解説

クルレジャ
くるれじゃ
Miroslav Krleža
(1893―1981)

旧ユーゴスラビア、クロアチアの詩人、劇作家、小説家。ザグレブに生まれる。ブダペスト陸軍士官学校を卒業、第一次世界大戦にオーストリア・ハンガリー軍人として参加、戦後創作に専念。小説集『クロアチアのマルス神』(1922)および『千と一つの死』(1933)において、他国の利害のために戦わされるクロアチア民族の悲劇を描いた。一時期、表現主義に接近したが、1920年代末から30年代にかけて鋭敏な社会意識に基づくリアリズム作品『煩悶(はんもん)』(1928)、『グレンバイ家の人々』(1929)、『フィリップ・ラティノビッチの帰還』(1932)などを発表し、クロアチアのブルジョア社会矛盾を描いた。

[栗原成郎]

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