ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ボロミーニ」の意味・わかりやすい解説
ボロミーニ
Borromini, Francesco
[没]1667.8.2. ローマ
イタリア盛期バロック時代の最も独創的な建築家。初め石工の修業をし,1620年代後半にローマへ出て C.マデルノ,次いで G.ベルニーニに師事,のちに主任助手となってサン・ピエトロ大聖堂とパラッツォ・バルベリーニの建築彫刻を担当。サン・カルロ・アレ・クァトロ・フォンターネ聖堂 (1638~46,ファサードは 1662~67,ローマ) の仕事を機に独立。ファサードの波打つ壁面は小規模ながら流動的で彫刻的効果をもつ。以来典型的なバロック様式を創造。サンティーボ・デラ・サピエンツァ聖堂 (1642~60) では2個の正三角形を組合せた星形を基盤とする独特な建築空間を生んだ。他にオラトリオ・ディ・サン・フィリップ・ネリ (1635~55) ,サン・ジョバンニ・イン・ラテラノ大聖堂の内部改修 (1647~50,ラテラノ) ,ナボーナ広場に面するサンタニェーゼ・イン・アゴーネ聖堂 (1653~57) ,18世紀図書館の基本型となったパラッツォ・デラ・サピエンツァのアレクサンドリーネ図書館 (1665~66) がある。彼の革新的な空間概念は中部ヨーロッパに大きな影響を与え,ベルニーニと並び称される巨匠となった。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報