コヨシキリ(その他表記)Acrocephalus bistrigiceps; black-browed reed warbler

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コヨシキリ」の意味・わかりやすい解説

コヨシキリ
Acrocephalus bistrigiceps; black-browed reed warbler

スズメ目ヨシキリ科。全長 14cm。頭上から背,,尾は黄褐色。眉線は太く,白っぽいが,眼先と眉線の上下は黒い。胸から腹は褐色がかった白色中国北東部,アムール地方やウスリー地方,サハリン島などの地域,朝鮮半島,日本で繁殖し,中国南部,インドシナ半島タイミャンマーなどに渡って越冬する。日本には夏鳥(→渡り鳥)として 5月下旬に渡来し,北海道本州九州地方平地から山地草地高原で繁殖する。特に本州中部以北の高原と北海道の平地の丈の高い草原にはごく普通に見られる。「じょっぴりり,じょっぴりり,けけし」と鳴く。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コヨシキリ」の意味・わかりやすい解説

コヨシキリ
こよしきり / 小葦切
black-browed reed warbler
[学] Acrocephalus bistrigiceps

鳥綱スズメ目ヒタキ科の鳥。オオヨシキリとともに、単にヨシキリとよばれることがある。全長約13センチメートル。オオヨシキリに似るが、ずっと小さく、「黒い眉(まゆ)の葦原(あしはら)のムシクイ」という意味の英名のとおり、淡い眉斑(びはん)の上に黒線が走っている。鳴き声はオオヨシキリより細く金属的である。アジア東部で繁殖し、東南アジアで越冬する。日本では、アシの散在する湿地草原、高原の草原にすむ。草の茎に巣をつくり、不明瞭(ふめいりょう)な斑がある淡黄褐色の卵を4、5個産む。昆虫クモなどを食べる。

[竹下信雄]


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世界大百科事典(旧版)内のコヨシキリの言及

【ヨシキリ(葭切)】より

…このグループの鳥は,外観はよく似ているが,さえずりは種によってかなりはっきりと違っている。日本で繁殖するヨシキリ類の中では,オオヨシキリA.arundinaceus(イラスト)はギョギョシ,ギョギョシ,ケケケケケ……とさえずり,コヨシキリA.bistrigiceps(イラスト)は,同様な節回しだが,もっと複雑で金属的な高い声でさえずる。オオヨシキリは,そのさえずりからギョウギョウシ(行々子)の別名をもつ。…

※「コヨシキリ」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

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