コワレフスキー(読み)こわれふすきー(英語表記)Максим Максимович Ковалевский/Maksim Maksimovich Kovalevskiy

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コワレフスキー」の意味・わかりやすい解説

コワレフスキー
こわれふすきー
Максим Максимович Ковалевский/Maksim Maksimovich Kovalevskiy
(1857―1916)

ロシアの歴史家、社会学者。ハリコフ(ハルキウ)大学卒業後、ベルリンウィーンパリロンドンなどに留学。1878~1887年モスクワ大学法学部教授。反政府的立場をとったため教職を追われ、国外に出てパリ、ストックホルムオックスフォードなどの大学で教壇に立つ。1905年の革命で帰国し、1905~1916年ペテルブルグ大学教授。1906年第一国会議員、1907年国家評議会議員。実証主義の立場から多くの研究をしたが、とくに共同体的土地所有、コーカサスカフカス)諸民族の慣習法、フランス革命前夜の農民問題などの分野で優れた業績をあげた。

[外川継男]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コワレフスキー」の意味・わかりやすい解説

コワレフスキー
Kovalevskii, Osip Mikhailovich; Jósef Kowalewski

[生]1801.1.9. ウォルコウィスク
[没]1878.10.20. ワルシャワ
ポーランド系ロシアの蒙古学者。 1820年ウィルニウス大学を卒業。古典語,古典文学専攻。 25年カザン大学で東洋語学を学ぶ。 27~31年蒙古や中国に住み,蒙古人の言語,文学,民俗を研究。 33~60年カザン大学,62年からワルシャワ大学教授。主著『蒙古文語文法小典』 Kratkaya grammatika mongol'skogo knizhnogo yazyka (1835) ,『蒙古文選』 Mongol'skaya khrestomatiya (36~37) ,『蒙古=ロシア=フランス語辞典』 Mongol'sko-russko-frantsuzskii slovar' (3巻,44~49,学士院デミドフ賞) 。その他,未刊原稿も多い。

コワレフスキー
Kovalevskii, Aleksandr Onufrievich

[生]1840.11.19. シュスチャンカ
[没]1901.11.22. ペテルブルグ
ロシアの動物学者。 1867年,ペテルブルグ大学で学位取得。同大学 (1867,91~93) のほか,カザン (68~69) ,キエフ (69~74) ,オデッサ (74~90) 各大学の教授を歴任。その間,海産動物研究のため,紅海,地中海沿岸におもむく。 65年に,すべての多細胞動物に共通な発生のパターンが存在することを初めて指摘した。また,ホヤの発生を研究して脊索を発見し,系統発生において原索動物の占める位置を明らかにするなど,比較形態学,発生学で重要な業績を上げた。 90年ロシア科学アカデミー会員に選出された。

コワレフスキー
Kovalevskii, Maksim Maksimovich

[生]1851.9.8. ハリコフ
[没]1916.4.5. ペトログラード
ロシアの歴史家。貴族出身でハリコフ大学卒業後ドイツ,フランス,イギリスに留学。 1877年モスクワ大学の教授となり法制史などを担当。自由主義的であったため,87年大学を追われてフランスに移り,各地の大学で講議した。 1905年の革命の際に帰国して,ペテルブルグ大学教授となり,06年には第1国会の議員となった。著書は『近代法慣習と古代法』 Sovremennyi obychai i drevnii zakon (2巻,1886) ,『近代民主主義の起源』 Proiskhozhdenie sovremennoi demokratii (4巻,95~97) など多数。

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