コンゴ盆地(読み)こんごぼんち(英語表記)Congo Basin

日本大百科全書(ニッポニカ) 「コンゴ盆地」の意味・わかりやすい解説

コンゴ盆地
こんごぼんち
Congo Basin

アフリカ中西部の赤道直下にある大盆地。ザイールZaïre盆地ともいう。南北約1600キロメートル、東西約1300キロメートル、面積は日本の9倍以上の約369万平方キロメートルに達する。このうち盆地の低地部の面積は約50万平方キロメートルである。北部はカメルーン、中央アフリカ両国から続く標高1000メートル以下の高原、東部はアフリカ大地溝帯西部の傾動山塊であるルウェンゾリ山(5109メートル)とそれに続く火山を含む山地列、南部はアンゴラコンゴ民主共和国(旧ザイール)南東部の1000メートルを超える山地、西部はガボンからアンゴラにかけて大西洋岸と並走するギニア高地に接している。盆地の最低地は標高約300メートルで、その位置は盆地の中央部からずっと西へ寄っている。

 盆地周辺の地質は、先カンブリア紀の変成岩を主体とする基盤岩類からなり、この上に古生代の氷河堆積物(たいせきぶつ)を含む堆積岩(クンデルング層)、中生代砂岩を中心とする堆積岩(ルビラッシュ層)、第三紀層が盆地を埋めるように分布する。新生代の第三紀まではまったくの内陸排水盆地だったと考えられ、第四紀に入って初めて大西洋側へ排水できるようになったとみられる。盆地底を埋める古期沖積層(ブシーラ層)を切って、現在の流路に沿って新期の沖積層が堆積している。

[堀 信行

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コンゴ盆地」の意味・わかりやすい解説

コンゴ盆地
コンゴぼんち
Bassin du Congo

コンゴ民主共和国を流れるコンゴ川とその諸支流の流域に広がる大盆地。コンゴ民主共和国とコンゴ共和国大部分と,アンゴラ北部,ザンビア北西部にかけて広がる。最低標高はムバンダカ周辺の 300mで湿地帯を形成,周辺に向かうに従い高くなり高原となる。高温多雨の熱帯雨林気候で居住環境が悪いため,アフリカでは開発が遅れていたが,1884~85年の植民地分割のベルリン会議に際し,ベルギーレオポルド2世の私有植民地コンゴ自由国を認める条件として,ヨーロッパの列強がこの盆地における通商の自由を認めさせたことで注目された。豊富な地下資源が開発され,農林産物も豊かで経済的発展が著しい。

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