1984年に登録、1999年に登録内容が変更された世界遺産(自然遺産)。コンゴ民主共和国中央部、コンゴ盆地にある同国最大の国立公園である。アフリカ大陸のほぼ中央部に位置し、その面積は3万6000km2と、アフリカ大陸の国立公園の中で第2位の規模を誇る。熱帯雨林とコンゴ川支流のロメラ川やサロンガ川などの急流が人間の侵入を阻み、豊かな自然環境を保ってきた。この公園の最大の特徴は、約2万頭生息しているといわれるボノボ(ピグミーチンパンジー)である。このほか、オカピ、クロコダイル、コンゴクジャク、ボンゴ、ミズジャコウネコ、センザンコウなどの珍しい動物が生息している。しかし近年、公園周辺の人口が急速に増加し、森林伐採、住宅の建設など都市化の進行で、こうした動物のすみかであるジャングルが侵され、また、国内の政情不安から公園の管理が手薄になったことから、1999年、危機遺産リストに登録された。◇英名はSalonga National Park