コーサ族(読み)コーサぞく(英語表記)Xhosa; Xosa

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「コーサ族」の意味・わかりやすい解説

コーサ族
コーサぞく
Xhosa; Xosa

南アフリカ共和国のおもに東ケープ州に居住する,最南のバンツー語系の一民族。南ングニ諸族に属する。ホームステッドは散在し集落をなさないが,その集合体は政治単位を構成し,首長をもつ。最高首長と最高議会が地域の首長と議会を統御し,明確な軍事組織をもった。キビトウモロコシなどの耕作行ないウシヤギなどを飼うが,人口過剰のため大都市へ出稼ぎに出る者も多い。父系出自集団があり,その内部での婚姻は禁じられる。南アフリカ政府のバンツースタン(ホームランド)政策により,1959年にトランスケイ,1961年にシスケイコーサ族の居住地区として設立され,のちに名目だけの独立を与えられたが,アパルトヘイト全廃に伴い 1994年,いずれも東ケープ州に編入された。21世紀初頭の推定人口は約 730万。

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