コーンウォール石(読み)コーンウォールせき(その他表記)cornwallite

最新 地学事典 「コーンウォール石」の解説

コーンウォールせき
コーンウォール石

cornwallite

化学組成鉱物単斜晶系,空間群P21/a, 格子定数a1.7338nm, b0.5767, c0.4588, β91.77°, 単位格子中2分子含む。繊維状結晶の集合で,ぶどう状の塊をなす。鮮緑暗緑色半透明樹脂光沢劈開なく,断口は不規則。硬度4.5, 比重4.52~4.65。薄片では緑色,屈折率α1.81, β1.815, γ1.85, 2V(+)小。AsをPで置換した擬孔雀石と同構造。主に銅鉱床の酸化帯に,オリーブ銅鉱斜開銅鉱孔雀石・らん銅鉱などと産する。日本でも山口県美祢郡美東町喜多平鉱山をはじめ,いくつかの産地がある。名称は原産地の英国Cornwall地方に由来。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「コーンウォール石」の意味・わかりやすい解説

コーンウォール石
こーんうぉーるせき
cornwallite

ヒ酸塩鉱物の一つ。コルヌビア石同質異像関係にある。両者は密接な共存関係にあるため、物理的な生成条件はほとんど同一と考えられる。両者とも擬くじゃく石pseudomalachite(化学式Cu5[(OH)2|PO4]2)群に属する。なお、擬くじゃく石は同質三像関係をもっている。肉眼的な自形結晶は未報告。集落状あるいは球顆(きゅうか)状を呈し、内部構造が放射状であることはわかる。多く皮膜状である。

 各種銅鉱床の酸化帯に産する。砒(ひ)四面銅鉱、硫砒銅鉱ルソン銅鉱などが初生鉱物として考えられるものの、初生鉱物との共存例は少なく、普通は銅を主成分とした酸化物・炭酸塩・リン酸塩・ヒ酸塩・ケイ酸塩二次鉱物の複雑な組合せを構成する。ヒ素は硫砒鉄鉱あるいはスコロド石に由来する可能性もある。日本では奈良県御所市三盛(さんせい)鉱山および同市竜神(りゅうじん)鉱山(閉山)からの産出が知られている。

 同定は類似物が多いので、非常に困難である。しいていえばその緑色はいわゆる緑青様緑色verdigris-greenを呈し、顔料になる銅の炭酸塩などよりも粉末になったときの色、すなわち条痕(じょうこん)の淡色化がはるかに明瞭(めいりょう)であることによる。また他の銅の含水リン酸塩・ヒ酸塩鉱物より硬度がわずかに高い。原産地ではコルヌビア石より透明度が低い。命名は原産地のあるイギリス、コーンウォールCornwall地方にちなむ。

[加藤 昭 2016年9月16日]


コーンウォール石(データノート)
こーんうぉーるせきでーたのーと

コーンウォール石
 英名    cornwallite
 化学式   Cu5[(OH)2|AsO4]2
 少量成分  P
 結晶系   単斜
 硬度    4.5
 比重    4.64
 色     緑青緑と記載されているが,コルヌビア石との違いはほとんどわからない
 光沢    ガラス
 条痕    淡緑
 劈開    未報告
       (「劈開」の項目を参照)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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