ルソン銅鉱(読み)ルソンどうこう(その他表記)luzonite

最新 地学事典 「ルソン銅鉱」の解説

ルソンどうこう
ルソン銅鉱

luzonite

化学組成Cu3AsS4鉱物。ルソン銅鉱-黄錫鉱系列の鉱物。硫砒銅鉱(ルソン銅鉱の高温型)と多形。ファマチン鉱と連続固溶体をつくる。正方晶系,空間群, 格子定数a0.5332nm, c1.057,単位格子中2分子含む。斑銅鉱よりやや暗い深桃褐色,金属光沢,粒状集合体。劈開{101}良好,{100}不明瞭,硬度3.5, 比重4.38(測定値),4.53(計算値)。反射光で紅灰色,反射異方性が著しく,(112)で双晶をつくり,集片双晶として観察される。鉱脈鉱床・黒鉱鉱床から,硫砒銅鉱・コルーサ鉱・褐錫鉱・安四面銅鉱・黄鉄鉱・黄銅鉱・コベリン・閃亜鉛鉱輝蒼鉛鉱・銀硫塩鉱物・自然銀・自然金・白鉄鉱・明ばん石・重晶石・石英とともに産出フィリピンルソン島に産出するところから命名

執筆者:

出典 平凡社「最新 地学事典」最新 地学事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ルソン銅鉱」の意味・わかりやすい解説

ルソン銅鉱
るそんどうこう
luzonite

銅の鉱石鉱物の一つ。硫砒(りゅうひ)銅鉱とは同質異像関係にあることが合成物で確認されているが、天然では化学的環境に左右されて、生成される相が決定される。たとえば台湾の金瓜石(きんかせき)鉱山ではルソン銅鉱と硫砒銅鉱が共存し、この場合前者が少量のアンチモンを選択的に取り込むことで安定化しているが、後者はアンチモンをほとんど含まない。中~高温熱水鉱床中に産し、比較的高い硫黄(いおう)蒸気圧条件下の産物自形は正四面体に近い正方四半面体であるが、きわめてまれである。日本の産地としては北海道札幌市手稲(ていね)鉱山(閉山)が有名。原産地はフィリピン、ルソン島のマンカヤンMancayan鉱山で、命名の由来でもある。

[加藤 昭 2018年12月13日]


ルソン銅鉱(データノート)
るそんどうこうでーたのーと

ルソン銅鉱
 英名    luzonite
 化学式   Cu3AsS4
 少量成分  Sb
 結晶系   正方
 硬度    3.5
 比重    4.53
 色     暗帯桃褐
 光沢    金属
 条痕    黒
 劈開    四方向に良好
       (「劈開」の項目を参照)

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

世界大百科事典(旧版)内のルソン銅鉱の言及

【ルゾナイト】より

…銅鉱石の一つで,ルソン銅鉱ともいう。化学組成Cu3AsS4。…

※「ルソン銅鉱」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

出典|株式会社平凡社「世界大百科事典(旧版)」

《モスクワに遠征したナポレオンが、冬の寒さと雪が原因で敗れたところから》冬の厳しい寒さをいう語。また、寒くて厳しい冬のこと。「冬将軍の訪れ」《季 冬》...

冬将軍の用語解説を読む