西欧で火の精と考えられた怪物。火の中にすめるトカゲのような生き物といわれ、その身体が冷たいので火を消すことができると信じられた。そこで清流にすむ同じ形状のサンショウウオもこの名でよばれる。毒のある生き物としてはもっとも激しく、木に絡めば実はすべて毒をもち、泉に落ちれば水は汚染され、飲食する生き物はみな死ぬという。フランスのフランソア1世がその印にサラマンダーを用い、Nutrisco et extinguo(われ養いかつ滅す)としたのは、火の中に生き、火を消す能力による。石綿(いしわた)(アスベスト)を別名サラマンダーの毛という。