サンボアンガ(その他表記)Zamboanga

デジタル大辞泉 「サンボアンガ」の意味・読み・例文・類語

サンボアンガ(Zamboanga)

フィリピン南部、ミンダナオ島南西端の都市古くから海上交通要地であり、スペイン統治時代にはピラール要塞が築かれた。セブアノ語のほかスペイン語との混成言語であるチャバカノ語が話される。周辺離島は海岸保養地として知られる。

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改訂新版 世界大百科事典 「サンボアンガ」の意味・わかりやすい解説

サンボアンガ
Zamboanga

フィリピンのミンダナオ島南西部,サンボアンガ半島南端に位置する都市。人口60万1794(2000)。1635年,イスラム教徒フィリピン人による北部フィリピン攻撃を出撃地点近くで制圧するために,スペインがここに要塞を建設したのが町の始まりである。市内に今なお残るピラール要塞がそれで,幾度かの攻撃を受けて放棄再建が繰り返された。アメリカ統治下になってからの治安改善,それに伴う域内の地下資源や森林資源の開発,ココヤシやゴムなどのプランテーション開発の進展が,中・北部フィリピンからの移住者の急増をもたらし,市の地理的位置の有利性と相まって南西部フィリピンの交易・行政中心地に成長した。1936年に政令都市の指定を受け,市域面積1414km2,市の中心から最北端まで80kmもある,フィリピンで3番目の広域都市となった。南西方のスールー諸島への入口にあたること,市内がイスラム文化とキリスト教文化の会合点であることから,観光地としての魅力もある。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「サンボアンガ」の意味・わかりやすい解説

サンボアンガ
さんぼあんが
Zamboanga

フィリピン南部、ミンダナオ島南西端の港湾都市スル海モロ湾を結ぶ海運要衝で、コプラなどの積出し港である。人口60万1794(2000)。スペイン植民地時代にはイスラム教徒(「モロ」という蔑称(べっしょう)でよばれていた)制圧の拠点であった。1635年建設のピラール要塞(ようさい)、リオ・ホンドーの水上集落、サンタ・クルス島などがあり観光客が多い。セブアノ語のほか、スペイン語が土着化したチャバカノ語も使われている。

[高橋 彰]

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百科事典マイペディア 「サンボアンガ」の意味・わかりやすい解説

サンボアンガ

フィリピン,ミンダナオ島南西,同名の半島の先端にある港湾都市。1936年特別市(政令都市)となる。1635年スペイン人がイスラム教徒(モロ)の制圧のためこの地に要塞(ようさい)を建設したことに由来する。住民の多くはキリスト教徒だが,周辺はイスラム教徒も多く,イスラム勢力の分離独立を目指すゲリラ組織モロ民族解放戦線(MNLF)の拠点の一つとなった。フィリピン南西部の商業・交通の中心。木材工業が盛んである。64万4000人(2010)。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「サンボアンガ」の意味・わかりやすい解説

サンボアンガ
Zamboanga

フィリピン,ミンダナオ島西部,サンボアンガ半島先端にある市。沖合いをバシラン島に守られた良港がある。 1636年にスペイン人が要塞を建設,イスラム教徒鎮圧の基地とした。港は同国第4位の貿易港で,フィリピン南部の通商の中心。マホガニーなどの硬木材,コプラ,マニラアサ,水産品,果実などが輸出される。貝殼やその加工品,真鍮細工,青銅細工を特産。気温は年平均 26.9℃であるが,12月~5月の乾季は過しやすく,中心街に立並ぶスペイン風建造物,風光明美な海浜などにより,観光都市としても発展している。人口 44万 4000 (1990推計) 。

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