シアナミド(読み)しあなみど(英語表記)cyanamide

翻訳|cyanamide

日本大百科全書(ニッポニカ) 「シアナミド」の意味・わかりやすい解説

シアナミド
しあなみど
cyanamide

シアンのアミド化物で、シアンアミドともいう。アンモニアとクロロシアンCNClとの反応、カルシウムシアナミド石灰窒素の主成分)CaCN2酢酸との反応、チオ尿素と酸化水銀(Ⅱ)との反応などによって得られる。潮解性の無色針状晶。水、エタノールエチルアルコール)、エーテルによく溶ける。次のようなカルボジイミドとの互変異性がある。水溶液は弱酸性で安定。

  NCNH2HN=C=NH
酸とは塩をつくり、水酸化ナトリウム水溶液ではNaHCN2なる化合物を生じる。強酸および強アルカリ性水溶液で尿素に加水分解する。硫化水素とは弱アルカリ性で反応してチオ尿素に、アンモニウム塩とはグアニジンの塩になる。金属シアナミドMI2CN2の代表的なものにカルシウムシアナミド、ナトリウムシアナミドNa2CN2がある。二量体のジシアンジイミドNC・NHC(NH2)=NHに重合しやすく、150℃に熱すると三量体のメラミンC3H6N6に変化する。刺激性で湿った皮膚に触れると炎症をおこす。

[守永健一・中原勝儼]


シアナミド(データノート)
しあなみどでーたのーと

シアナミド
  NCNH2
 式量 42.0
 融点 46℃
 沸点 140℃/19mmHg

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シアナミド」の意味・わかりやすい解説

シアナミド
cyanamide

化学式 NCNH2 。無色の潮解性結晶。融点 46℃。水,アルコール,エーテル,ベンゼンなどによく溶ける。刺激性で皮膚に触れると炎症を起す。カルシウム塩 (カルシウムシアナミド) は肥料として使われる。

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