日本大百科全書(ニッポニカ) 「シジミバナ」の意味・わかりやすい解説
シジミバナ
しじみばな / 蜆花
[学] Spiraea prunifolia Sieb. et Zucc.
バラ科(APG分類:バラ科)の落葉低木。高さ1~2メートルの株立ち状になり、若枝に短毛がある。葉は互生し、楕円(だえん)形から広卵形で長さ2~3.5センチメートル、縁(へり)の上半に鋸歯(きょし)があり、両面に軟毛がある。4月、小形の葉が束生した短枝の先に散形花序をつくり、径約1センチメートルで八重の白色花を3~5個開く。花柄は長さ2~4センチメートルで、萼(がく)とともに毛がある。花弁は多く、雄しべと雌しべは退化しており、結実しない。中国原産で日本には古く渡来し、花木として各地の庭園、公園などに広く植えられている。名は小形の花形をシジミの内臓に見立てたもの。炒(い)ってはぜた糯米(もちごめ)に似るのでハゼバナ(粶花)ともいい、小白花を小米にたとえたコゴメバナの名もある。花の中央がへこむのでエクボバナともいい、中国名の笑靨(しょうよう)も同じ意味である。
[小林義雄 2020年1月21日]