日本大百科全書(ニッポニカ) 「シバナ」の意味・わかりやすい解説
シバナ
しばな / 塩場菜
[学] Triglochin asiatica (Kitag.) A. et D.Löve
Triglochin asiaticum (Kitagawa) Löve et Löve
シバナ科(APG分類:シバナ科)の多年草。ウミニラ、ヒロハノミサキソウともいい、ゆでて食べられる。根生葉は線形でやや多肉質、長さ10~40センチメートル、幅0.5~1センチメートル。6~10月、高さ10~30センチメートルの花茎に総状または穂状花序をなし、黄緑色で雌しべ先熟の両性花を開く。花被片(かひへん)は内外各3枚、長さ2.5ミリメートルの楕円(だえん)形で先は鈍くとがる。雄しべ6本、雌しべ1本。子房は胞形の6室からなり、長さ3~5ミリメートルの袋果となる。成熟すると、長楕円形で長さ約2ミリメートルの種子が1、2個できる。海浜の湿地に生え、中部地方以西の本州に分布する。関東地方以北の本州、北海道、および北半球の温帯にはマルミノシバナT. maritima L.(T. maritimum L.)が自生する。オオシバナともいい、葉幅が狭く、果実は楕円形である。
[大滝末男 2018年9月19日]