シバー(その他表記)Colley Cibber

改訂新版 世界大百科事典 「シバー」の意味・わかりやすい解説

シバー
Colley Cibber
生没年:1671-1757

イギリス劇作家俳優。王政復古期の退廃的な風習喜劇に教訓性を加えた感傷喜劇作者として知られ,《恋の最後の手段》(1696初演),《不注意な夫》(1704初演)などが代表作。俳優としては好色で滑稽な貴族の役を得意とした。1711年以後,ドルーリー・レーン劇場の運営に参加して,劇壇に大きな影響力をもった。また30年には桂冠詩人に任じられたが,傲慢な人柄のせいで敵が多く,A.ポープやH.フィールディングの作品によって攻撃された。自伝《コリー・シバー氏の人生の弁護》(1740)は,王政復古期の劇壇に関する一級資料であるが,身がってな自己弁護に富むことでも有名。息子シオフィラスも俳優。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「シバー」の意味・わかりやすい解説

シバー
しばー
Colley Cibber
(1671―1757)

イギリスの劇作家、俳優、劇場経営者。『恋の最後の策』(1696)で劇作家として登場。貞淑な妻によって夫の浮気心が直るという主題は、後の『浮気な亭主』(1704)などとも共通しており、王政復古期の風習喜劇から18世紀の感傷喜劇への移行期に位置するシバーの立場を端的に示している。後年ドルーリー・レーン劇場の経営にも参画したが、それらの経験をつづった自伝『コリー・シバー氏の生涯への弁明』(1740)は当時の演劇を知るための第一級の資料である。

[中野里皓史]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シバー」の意味・わかりやすい解説

シバー
Cibber, Colley

[生]1671.11.6. ロンドン
[没]1757.12.11. ロンドン
イギリスの俳優,劇作家。王政復古期演劇自作の喜劇を演じ,またドルアリー・レーン劇場の経営にも長く関係した。劇作家としては,イギリスのセンチメンタル・ドラマ発達に影響を与えた。代表作は『のんきな夫』 The Careless Husband (1704) 。『リチャード3世』の改訂モリエールの『タルチュフ』の翻案も行い,著書『シバー氏の生涯についての弁明』 An Apology for the Life of Colley Cibber (40) がある。息子セオフィラス (1703~58) も俳優,劇作家。一時ドルアリー・レーン劇場の経営にたずさわったが,スキャンダルで失脚した。

シバー
Cibber(Cibert), Caius Gabriel

[生]1630. フレンスブルク
[没]1700. ロンドン
デンマークの彫刻家。バロック建築彫刻,庭園彫刻で知られる。宮廷家具職人の子で,フレデリック3世によって,修業のためローマに送られたが,デンマークには戻らなかったらしい。作品はすべてイギリスにあり,イギリス彫刻の特徴をそなえているが,イタリア,オランダ彫刻の影響も認められる。代表作『ロンドンの大火後救済するチャールズ2世』の浮彫 (1674) ,『荒れる狂気』と『憂鬱な狂気』 (ともに 1670年代,ベドラム病院の門) など。息子のコリー・シバーは俳優として著名。

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