シャンシー省(読み)シャンシー(その他表記)Shanxi

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「シャンシー省」の意味・わかりやすい解説

シャンシー(山西)〔省〕
シャンシー
Shanxi

中国,華北地方西部の 1級行政区。略称はチン(晋)。6特別市,6地区に分かれ,7市 93県からなる。行政中心地はタイユワン(太原)特別市春秋時代に属したことから略称が生じた。ホワン(黄)河の東,タイハン(太行)山脈の西にあることから代は河東山西道と呼ばれ,代に山西省となった。ホワントー(黄土)高原東部にあり,大部分は標高 1000m前後の山地で,1500~2000mの山峰を含む。東はタイハン山脈,西と南はホワン河の中流に接し,北は万里の長城でかぎられる。中央に断層盆地が南北に連なり,省の主要な農業地域となっている。ホワン河の支流フェン(汾)河が省最大の河川で,中央を南流している。東部と北部はハイ(海)河水系の上流域である。内陸の山地にあるために緯度に比して寒冷で,1月の平均気温は北部で-12℃,南部で-2℃,7月は 22℃と 27℃。年降水量は北部で 330mm,南部で 600mm。黄土の特性と夏の集中豪雨によって,土壌浸食が進んでおり,特に西部では雨裂が各所にみられ,高原面が破砕された小丘の連続する地形が多い。食用作物はコムギを中心にアワトウモロコシコーリャンであり,工芸作物はワタ,タバコ,ゴマ,ラッカセイ,ダイズなどである。果樹はナシとナツメが多い。牧畜は北西部に発達。土壌の流出と干魃を防ぐために,人民共和国となってから,植林,貯水池と灌漑水路の建設,地下水の開発,段畑の造成などが進められた。北部では砂防林の造成に力を入れている。地下資源は石炭が豊富で,主要炭田タートン(大同)特別市ヤンチュワン(陽泉)特別市チャンチー(長治)特別市タイユワン市にある。鉄も広く分布し,硫黄,銅も多い。南西端のシエ(解)池は塩の産地として古代から有名であった。工業はタイユワン市,タートン市を中心に鉄鋼業と重機械工業が発達している。紡織,食品加工,製紙などの軽工業も盛んであり,また各県で小型の鉱山や火力発電所,小工場の建設がめざましい。面積 15万7100km2。人口 3375万(2007推計)。

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