ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジョッフル」の意味・わかりやすい解説
ジョッフル
Joffre, Joseph-Jacques-Césaire
[没]1931.1.3. パリ
フランスの陸軍軍人。 1870~71年のパリ包囲戦で戦い,その後,インドシナ,西アフリカ,マダガスカルに勤務。 1905年に師団長,10年軍事参議官,11年参謀総長。 14年第1次世界大戦が始ると穏健な共和主義者であることを買われて北部および北東部軍司令官に任命された。いわゆる作戦計画第 17号を立案したが,緒戦でドイツ軍がフランス深く侵入するのを許し,苦境に立った。しかしマルヌ川の会戦では作戦が成功し,ドイツ軍の進撃を阻止したことから,「マルヌの勝者」と呼ばれるようになった。 14年末から 18年まで戦線は塹壕戦となって膠着したが,15年中,ジョッフルはドイツ軍戦線を強行突破しようとして膨大な人命を失った。同年秋のシャンパーニュ大攻勢も失敗したが,12月にはフランス軍総司令官に任命された。 16年にはベルダンの戦いでドイツ軍の攻勢を予想できなかったため打撃を受けた。さらにソンムの戦いでも人的損害が大きく,成果がなかったことに対して非難が高まり,同年 12月に辞任,その日に元帥に進んだ。 17年アメリカへ,戦後は日本へ使節として派遣された。主著『回顧録』 Mémoires (1932) 。
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