ジョドレルバンク天文台(読み)ジョドレルバンクてんもんだい(その他表記)Jodrell Bank Observatory

精選版 日本国語大辞典 「ジョドレルバンク天文台」の意味・読み・例文・類語

ジョドレルバンク‐てんもんだい【ジョドレルバンク天文台】

  1. ( ジョドレルバンクはJodrell Bank ) イギリスマンチェスター大学所属天文台。マンチェスター近くのジョドレル‐バンクにある。主に天体電波の超高分解能観測を行ない、一九五八年完成した口径七六メートルのパラボラ型電波望遠鏡をもつ。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ジョドレルバンク天文台」の意味・わかりやすい解説

ジョドレルバンク天文台
ジョドレルバンクてんもんだい
Jodrell Bank Observatory

イギリスイングランド中西部チェシャーイーストの東部マックルズフィールドのジョドレルバンクにある電波天文台マンチェスター南方約 32kmに位置する。世界最大規模の口径 76mのパラボラ反射鏡をもつ可動式電波望遠鏡であるラベル望遠鏡をはじめ,口径 25mのマークII望遠鏡などを有する。第2次世界大戦直後,イギリスの天文学者バーナード・ラベルが,マンチェスター大学付属の植物研究施設で戦用余剰品のレーダ装置を使用して宇宙線などの研究を開始したのが起源。当初「マークI」と命名された 76m望遠鏡(1987ラベル望遠鏡に改称)の建設は 1952年に始まり,1957年のソビエト連邦人工衛星スプートニク』1号の打ち上げを前に完成,人工衛星と打ち上げロケットの追跡に成功した。また 1966年にはソ連の月探査機『ルナ』9号が撮影した月面の画像データの受信に成功した。イギリス国内の七つの望遠鏡の観測データを超長基線電波干渉法 VLBIによって合成する e-MERLIN計画では中心的役割を担う。ジョドレルバンク天文台は 1940~60年代の光学天文学から電波天文学への技術的な変遷示し宇宙理解に根本的な変化をもたらしたとして 2019年世界遺産文化遺産に登録された。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ジョドレルバンク天文台」の意味・わかりやすい解説

ジョドレルバンク天文台
じょどれるばんくてんもんだい
Jodrell Bank Astronomical Observatory

イギリスのマンチェスター近郊にある電波天文台。マンチェスター大学所属。1957年、口径76メートルの当時世界最大の大電波望遠鏡(ラベル望遠鏡)を完成させ、巨大電波望遠鏡時代の先駆けとなった。その後も天文台長ラベルBernard Lovell(1913―2012)のもとで口径25メートル高精度望遠鏡の建設など、電波観測の開拓を意欲的に進め、ケンブリッジ大学とともにイギリスの電波天文学を担ってきた。現在、ラベル望遠鏡を含め7基のパラボラ鏡による長基線電波干渉計「マリーン」システムを運用し、赤色巨星や爆発銀河の電波の超高分解能観測を中心に活発な研究を続けている。天文台が所属するジョドレルバンク天体物理学センターには、長波長の電波観測用の大型干渉計であるSKA計画の本部がある。

[海部宣男 2017年4月18日]

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百科事典マイペディア 「ジョドレルバンク天文台」の意味・わかりやすい解説

ジョドレルバンク天文台【ジョドレルバンクてんもんだい】

英国,マンチェスター近くのジョドレルバンクにある電波天文台。マンチェスター大学に所属。直径76mの可動パラボラアンテナをもち,天体電波の観測・研究,人工天体よりの電波の捕捉等に従事。

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