デジタル大辞泉 「じ」の意味・読み・例文・類語
じ[助動]
1 打消しの推量を表す。…ないだろう。…まい。
「人の心にはつゆをかしからじと思ふこそ、またをかしけれ」〈枕・一三〇〉
2 打消しの意志を表す。…ないようにしよう。…まい。→まじ
「(
[補説]連体形の例は少なく、已然形も「こそ」の結びとして用いられるだけである。室町時代以降、「まい」「まじい」に吸収され用いられなくなる。
じ[接尾]
1 …ではない、…に関係ない、などの意を表す。「
2 それらしいさま、そのようなようす、などの意を表す。「男
[補説]2は、一般に「じもの」の形で用いられる。→じもの
じ[五十音]
[補説]清音「し」に対する濁音としては、本来、硬口蓋の有声摩擦子音[ʒ]と母音[i]とからなる音節[ʒi]が相当するが、現代共通語では一般に[dʒi]と発音する。しかし、[ʒi]とも発音し、両者は音韻としては区別されない。古くは、[dzi](あるいは[dʒi][ʒi])であったかともいわれる。室町時代末には[ʒi]と発音され、近世江戸語以降[dʒi]と発音された。