スジエビ(読み)すじえび(英語表記)lake prawn

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「スジエビ」の意味・わかりやすい解説

スジエビ
Palaemon paucidens

軟甲綱十脚目テナガエビ科。体長 5.5cm。額角は長く,上縁に 3~8歯,下縁に 1~5歯がある。淡褐色半透明で,頭胸甲の側面に濃色の複雑な縞模様があり,また腹部には七つの帯状紋がある。胸脚の各関節部は橙黄色。夏に 2回産卵する。卵数は 200~400個。分布は広く,ロシアのサハリン島から沖縄県の西表島までのおもに湖沼河川にすむが,ときに汽水域でも見られる。海産の近縁種に比べて飼育が容易であるため,各種の生理学実験の好材料となっている。一般に川エビと呼ばれ,から揚げ佃煮にして食用にされるが,釣りのまき餌としても利用価値が高い。(→甲殻類十脚類節足動物軟甲類

出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ) 「スジエビ」の意味・わかりやすい解説

スジエビ
すじえび / 筋蝦
lake prawn
[学] Palaemon paucidens

節足動物門甲殻綱十脚(じっきゃく)目テナガエビ科の淡水エビ。体長5センチメートルほど。河川、湖沼などの流れがほとんどない所の砂泥底を好む。樺太(からふと)(サハリン)から九州、朝鮮半島に分布する。額角(がっかく)は頭胸甲よりわずかに短く、ほとんど水平で、上縁に3~8歯、下縁に1~5歯がある。第1、第2胸脚ははさみをもち、第2胸脚が長い。透明感のある淡褐色で、頭胸甲に3、4本、腹部に7本の濃褐色の線がある。産卵期は夏で、200~400個の卵を産む。幼生は11回の脱皮をするまで浮遊生活をする。寿命は3年。コサンエビやシラサエビなど地方名が多く、佃煮(つくだに)にされるほか、釣りの撒餌(まきえ)に利用される。

[武田正倫]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

今日のキーワード

お手玉

世界各地で古くから行われている遊戯の一つ。日本では,小豆,米,じゅず玉などを小袋に詰め,5~7個の袋を組として,これらを連続して空中に投げ上げ,落さないように両手または片手で取りさばき,投げ玉の数や継...

お手玉の用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android