ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「テナガエビ」の意味・わかりやすい解説
テナガエビ
Macrobrachium nipponense
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雄の第2胸脚が著しく長い甲殻綱テナガエビ科の淡水エビで,産業的に重要である。体長9cmほどに達し,比較的低地の河川,湖沼にすむ。どちらかといえば流れの緩やかな砂泥質の場所を好む。体はやや透明感のある緑褐色。額角はほとんど水平に突出し,上縁に10~17本,下縁には前半部に3~5本のとげがある。第1,2胸脚がはさみをもつが,雄の第2胸脚は体長の1.5倍に達する。雌は体がずんぐりしていて,第2胸脚は細く,短い。産卵期は5月下旬から9月中旬で,8月には体長1~2cmの稚エビが多数見られる。12月から翌年4月ぐらいまではほとんど成長しないが,産卵期直前になって急速に成長し,産卵後に死ぬ。本州,四国,九州のほか,韓国と中国北部に分布する。
近縁のヒラテテナガエビ(ヤマトテナガエビ)M.japonicum(体長9cm)は流れのある瀬を好む。沖縄にはミナミテナガエビM.longipes(体長10cm)やコンジンテナガエビM.lar(体長15cm)が多い。また,フィリピン以南の各地では,体長30cmにも達するオニテナガエビM.rosenbergiが重要種で,養殖も行われている。いずれも食用となる。
執筆者:武田 正倫
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節足動物門甲殻綱十脚(じっきゃく)目テナガエビ科に属する淡水エビ。水産業上の重要種で、本州、四国、九州各地のほか、朝鮮半島、中国大陸北部、台湾に分布し、流れの緩やかな河川の中・下流域や湖沼にすむ。体長9センチメートルに達し、第2胸脚が、大形の雄では体長の2倍に達する。額角(がっかく)は水平に突出し、上縁に11~15歯、下縁に2~5歯がある。体色は緑色または緑青色を帯びた褐色を呈し、濃色の複雑で不規則な斑紋(はんもん)がある。産卵期は5月下旬から9月中旬で、約1年で性的に成熟し、交尾、抱卵後、幼生を放したあとに死ぬ。
本州中部地方以南には流れのある瀬を好むヒラテテナガエビ(ヤマトテナガエビ)M. japonicumや静水性のミナミテナガエビM. longipesなどもみられる。琉球(りゅうきゅう)諸島から南に産するコンジンテナガエビM. larは、東南アジア原産の体長40センチメートルに達するオニテナガエビM. rosenbergiなどとともに、養殖の対象とされている。
[武田正倫]
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