すべての道はローマに通ず(読み)すべてのみちはローマにつうず

ことわざを知る辞典 の解説

すべての道はローマに通ず

各地からの街道はすべてローマに通じている。転じて、出発点や手段は違っていても目的が同じなら、同じ場所や結論に達することのたとえ、また、真理は一つであるというたとえ。

[使用例] すべての道はローマに通じなくとも、里から里へ、いずれは人の居るところへ通じるのが当たり前だが、山の径だけは、ダメです[坂口安吾*我が人生観|1950~51]

[解説] ローマ帝国全盛期には、ローマを中心としてヨーロッパや小アジア、北アフリカの街道が整備されていました。ただし、この表現は中世ラテン語に由来するもので、古代ローマで使われていたわけではありません。ローマはキリスト教聖地の一つで、カトリック教会総本山があり、中世にはヨーロッパ各地から多くの巡礼が訪れる地となりました。当時も古代の街道の一部が使われており、巡礼が盛んになるとともに各地に広まった表現とみられます。

〔ラテン〕Omnibus viis Romam pervenitur.

フランス〕Tous les chemins mènent à Rome.

英語〕All roads lead to Rome.

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故事成語を知る辞典 の解説

すべての道はローマに通ず

出発点や手段は違っていても目的が同じなら、同じ場所や結論に達することのたとえ、また、真理は一つであるというたとえ。

[使用例] すべての道はローマに通じなくとも、里から里へ、いずれは人の居るところへ通じるのが当り前だが、山の径だけは、ダメです[坂口安吾*我が人生観|1950~51]

[由来] 一七世紀のフランスの詩人ラ・フォンテーヌの「寓話」に出て来ることばから。魂の救済を願う三人の人物が、同じ目標に向かいながらも、それぞれ裁判官と病院長と隠者という異なる道を選んだことを、「すべての道はローマに通ず」と表現しています。なお、もともとは、ローマ帝国の時代に、領土に張り巡らされた数多くの街道が、すべてローマへとつながっていたことに由来しています。

〔英語〕All roads lead to Rome.

〔フランス〕Tous les chemins mènent à Rome.

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旺文社世界史事典 三訂版 の解説

すべての道はローマに通ず
すべてのみちはローマにつうず

19世紀フランスの詩人ラ=フォンテーヌの『寓話』の中に出てくる言葉
ローマ市を起点に軍道が各方面に通じていたように,ローマ帝国が古代世界の繁栄の中心であったことを示す。

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