ずる‐ずる
(「づるづる」とも表記した)
[1] 〘副〙 (多く「と」を伴って用いる)
※
咄本・鹿の子餠(1772)
海鼠腸「御肴に今出すこのわた、料理人お風味をするとて、ずるずるとのむところ」
② しまりなく物を引きずるさま、物が徐々にすべり動くさま、また、その音を表わす語。
※
随筆・
驢鞍橋(1660)下「張合なくずるずると引入やうに体もなく覚ゑり」
※南小泉村(1907‐09)〈
真山青果〉七「
紺絣の着物を裾長くズルズルと着て」
③ 態度、様子、
気持などがしまりのないさま、きちんとした
けじめがつかずにそのままの状態が続くさま、また、けじめをつけずにそのままの状態を続けるさまを表わす語。
※絅斎先生敬斎箴講義(17C末‐18C初)「目に移て、ずるずると蕩て、どうやらしたことで斯(かふ)成ったと謂やうに失ふてくるぞ」
※思出の記(1900‐01)〈
徳富蘆花〉三「
同輩の
乱暴を牽制するでも無く、ずるずる傍観者で居たのは、〈略〉実に男らしく無い仕打で」
[2] 〘形動〙
① 態度、様子、気持などがしまりのないさま。きちんとけじめをつけず、そのままの状態で時をすごすさま。
※
浮雲(1887‐89)〈
二葉亭四迷〉一「
女房のお政は、お摩りからずるずるの後配
(のちぞひ)」
② ふぞろいであるさま。〔
日葡辞書(1603‐04)〕
出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報
デジタル大辞泉
「ずるずる」の意味・読み・例文・類語
ずる‐ずる
《「づるづる」とも表記》
[副]
1 重い物や長い物をゆっくり引きずるさま。「大きな荷物をずるずる(と)引きずる」
2 少しずつ滑り落ちたり、後退したりするさま。「雪の斜面をずるずる(と)滑り落ちる」
3 物事の決まりをつけないさま。「ずるずる(と)返事を延ばす」
4 音を立てて汁を飲んだり、鼻汁をすすったりするさま。また、その音を表す語。「スープをずるずる(と)飲む」「洟をずるずる(と)すすりあげる」
[形動]しまりのないさま。物事にだらしのないさま。「痩せてズボンがずるずるになる」
「その児が生れた時分から今日まで―に改めずに」〈谷崎・蓼喰ふ虫〉
[アクセント]はズルズル、はズルズル。
[類語]じわじわ・じわり・じんわり・じりじり・小刻み・小出し・なし崩し
出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例