じりじり(読み)ジリジリ

デジタル大辞泉 「じりじり」の意味・読み・例文・類語

じり‐じり

[副](スル)《「ぢりぢり」とも表記
ゆっくりとわずかずつ確実に進み迫ったり退いたりするさま。じわじわ。「首位じりじり(と)迫る」
いらだたしい気持ちがつのって落ち着かなくなるさま。「なかなか電車が来なくてじりじりする」
太陽が焼けつくように強く照りつけるさま。「真夏の太陽がじりじり(と)照りつける」
油などの焼ける音を表す。
「鰯の油が―と垂れて青い焔が立った」〈長塚
ベルなどの鳴る音を表す。「始業のベルがじりじり(と)鳴る」
[類語](1じわじわじわりじんわりずるずる小刻み小出しなし崩しのろいまぬるいまのろい遅いスロー緩慢とろいのろくさいまだるいまだるっこい鈍い緩徐遅緩スローモー遅遅のろのろそろそろゆっくりもたもたぼやぼやだらだらのろま鈍重ちんたらのさのさのそのそとぼとぼのこのこぐずぐずのそりのっそりのっしのっしのしのしどんとろとろぼちぼちぼつぼつぽつぽつ徐徐徐徐にじわりじわりのたりのたりのたりそろりゆるゆるのんびりのらくらゆったり悠然悠悠もさくさもさっともさもさ便便だらり便便のんべんだらりずぼらものぐさぐうたらだらしないしだらないぬらりくらりのらりくらりぬらくらちゃらんぽらん無精ルーズぶらぶらごろごろ無気力だらけるのほほん風太郎ぷうたろうその日暮らしふしだら自堕落ずるける怠ける手を抜く手抜き骨惜しみ投げ遣りレイジー怠慢怠惰無為拱手きょうしゅ横着怠るサボるイージーイージーゴーイング風の吹くまま気の向くまま油を売るまったり漫然たるむぬるま湯ぬるま湯につかる/(2かりかりいらいらやきもきむしゃくしゃむずむずうずうず苛立つじれる苛つく業を煮やす痺れを切らす歯痒いじれったいもどかしい辛気臭い苛立たしいまだるっこいまどろっこい躍起隔靴掻痒荒れる荒らすすさむすさぶ焦慮苛立ち焦燥焦るせく急き込む気が急く逸るテンパる焦心尖るまどろっこい手ぬるい生ぬるいのろ臭い間怠まだる間怠まだるこしい煮え切らないうやむやあやふや漠然おぼろげ曖昧どっちつかず要領を得ないぬらりくらりぬらくらのらりくらりのらくらぼやかす無節操洞ヶ峠言を左右にする言葉を濁す小心弱気引っ込み思案気弱内弁慶陰弁慶臆病大人しいこわがり内気怯懦きょうだ怯弱きょうじゃく意気地なし臆病小胆小心翼翼弱腰薄弱惰弱柔弱軟弱優柔不断柔いやわ弱弱しい女女しい弱音を吐く音を上げる悲鳴を上げる気が弱い腰が弱い肝が小さい肝っ玉が小さい

出典 小学館デジタル大辞泉について 情報 | 凡例

精選版 日本国語大辞典 「じりじり」の意味・読み・例文・類語

じり‐じり

  1. [ 1 ] 〘 副詞 〙 ( 「ぢりぢり」とも表記する。「と」を伴って用いることもある )
    1. ゆっくりと少しずつ、しかも確実にせまるさまを表わす語。じわじわ。また、緊張した状態で徐々に引き退くさまにもいう。
      1. [初出の実例]「かの大石がかうやくにすはれ、ぢりぢりとよるほどに」(出典:虎明本狂言・膏薬煉(室町末‐近世初))
      2. 「自分を見て笑ひながら、ぢりぢりとあとしざりをして」(出典:千鳥(1906)〈鈴木三重吉〉)
    2. ものが焼ける音、特に、肉や魚の脂身が火に焼けてはねる音を表わす語。
      1. [初出の実例]「火でじりじりとこがいてやいつなんどするぞ」(出典:漢書列伝景徐抄(1477‐1515)張耳陳余伝第二)
      2. 「鰯の油がぢりぢりと垂れて青い焔が立った」(出典:土(1910)〈長塚節〉二)
    3. 太陽がやけつくように強く照りつけるさま、また、身体の一部が焼き焦がされるようにひどく熱く感じられるさまを表わす語。
      1. [初出の実例]「まだ日の色のヂリヂリと襟に照り付て」(出典:当世少年気質(1892)〈巖谷小波〉七)
    4. 心が次第にいらだってくるさまを表わす語。
      1. [初出の実例]「早う連ていんで下されと、じりじりまふて気のどくがる」(出典:浮世草子・傾城禁短気(1711)四)
      2. 「其度にお島は憤悶(ジリジリ)する」(出典多情多恨(1896)〈尾崎紅葉〉前)
    5. ぜんまいを巻く音やベルなど機械的な音を表わす語。
      1. [初出の実例]「じりじりと十二時打つや虻の声〈四子〉」(出典:続春夏秋冬(1906‐07)〈河東碧梧桐選〉春)
    6. 蝉など昆虫のやかましい鳴き声を表わす語。
      1. [初出の実例]「わたしが、見たのは、昼の夢。蝉がじりじり、ないてゐる」(出典:童謡・正午(1920)〈三木露風〉)
    7. 汗や涙がしぼり出すように出てくるさまを表わす語。
      1. [初出の実例]「我がわかかっし時、進士に試られし事を思い出せば、しりしりあせが、今もたるぞ」(出典:四河入海(17C前)一一)
  2. [ 2 ] 〘 形容動詞ナリ活用 〙 ゆっくりと少しずつ進行するさま。
    1. [初出の実例]「ジリジリに知れるぶんにゃア、本家だって、何も別に困りゃアしまい」(出典:今年竹(1919‐27)〈里見弴〉三人上戸)

出典 精選版 日本国語大辞典精選版 日本国語大辞典について 情報 | 凡例

今日のキーワード

カイロス

宇宙事業会社スペースワンが開発した小型ロケット。固体燃料の3段式で、宇宙航空研究開発機構(JAXA)が開発を進めるイプシロンSよりもさらに小さい。スペースワンは契約から打ち上げまでの期間で世界最短を...

カイロスの用語解説を読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android