ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「セルトリウス」の意味・わかりやすい解説
セルトリウス
Sertorius, Quintus
[没]前72. ヒスパニア
古代ローマの政治家。ヒスパニアの反乱指導者。法学,修辞学を学び,前 105,前 102年2度ガリア人と戦う。前 83年法務官 (プラエトル ) 。 G.マリウスを支持して L.スラに追われヒスパニアからアフリカへ逃れた。ルシタニア人の声望を得て蜂起,前 80~77年ヒスパニアのほぼ全域を支配。地中海の海賊,東方のミトラダテス6世と連絡して,ローマに対抗したが,ローマそのものよりもスラ派に対する反乱を意図し,ヒスパニアにおいてはローマの将軍としてふるまい,反スラ派のローマ人,イタリア人の支持を得た。また常に白い子じかを伴いダイアナ女神の加護あることを示し,人心を得ていたが,前 76年以後ポンペイウス (大ポンペイウス) と戦いを交え,前 74年大敗を喫し,次第に人気を失い,暗殺された。
出典 ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典について 情報