ソウシチョウ(その他表記)Leiothrix lutea; red-billed leiothrix

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ソウシチョウ」の意味・わかりやすい解説

ソウシチョウ
Leiothrix lutea; red-billed leiothrix

スズメ目ガビチョウ科。従来はチメドリ科に分類されていた。全長 14~15cm。背面は暗黄緑色,に赤斑があり,風切羽の縁は黄色。下面は淡く,喉は黄色で,胸に赤褐色の帯がある。インドネパールヒマラヤ山脈山麓から中国南部にかけての地域とチベット自治区の一部,ミャンマーに,いくつかの地域に分断して分布する。飼いやすく,羽色が美しくて声がよいので,日本にもかつては飼鳥として多数輸入されていた。日本やハワイ諸島の一部には外来生物として自然繁殖している。日本では標高 1000m以上の落葉広葉樹林にすみ,近年本州中部以南で分布や生息数を増やしている。特定外来生物に指定され,生態系を変化させるなどその影響が懸念されている。今日では輸入は原則として禁止されている。

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改訂新版 世界大百科事典 「ソウシチョウ」の意味・わかりやすい解説

ソウシチョウ (想思鳥)
red-billed leiothrix
Leiothrix lutea

スズメ目ヒタキ科チメドリ亜科の鳥。中国南部からヒマラヤにかけて分布し,山地草地や灌木林に生息する。鳴声と姿が美しく,飼いやすいため,中国では籠鳥としてよく飼われ,日本にも古くから輸入された。このため英名ではPekingrobin,Japanese nightingaleなどとも呼ぶ。ハワイ諸島にも輸入され,野生化している。全長約16cm,上面は暗緑灰色で,のどから胸にかけてオレンジ色,黒い翼には赤い斑がある。大きな黒い眼のまわりは色が淡く,くちばし大部分は赤い。繁殖期以外は群れをつくり,昆虫,果実,種子など多様な食物を食べている。飼育はやさしく,雑居させると,メジロのようにくっつきあって止り木止まり,互いに羽づくろいしたりする。このようすから想思鳥の名がついた。餌もフィンチ用の粒餌でよい。
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日本大百科全書(ニッポニカ) 「ソウシチョウ」の意味・わかりやすい解説

ソウシチョウ
そうしちょう / 想思鳥
相思鳥
red-billed leiothrix
[学] Leiothrix lutea

鳥綱スズメ目ヒタキ科チメドリ亜科の鳥。全長約15センチメートル、鮮やかな羽色と美しい鳴き声によって、日本では江戸時代から飼い鳥として親しまれ、欧米でも、「日本のナイチンゲール」Japanese nightingale、「北京のロビン(ペキンのろびん)」Peking robinとよばれて飼養されている。上面はオリーブ色、のどは黄色、胸はオレンジ色、腹はクリーム色、嘴(くちばし)は鮮やかな赤色をしている。ヒマラヤから中国南部の、海抜1500~3000メートルの密生した竹やぶの中にすむ。活発に動き回り、昆虫、木の実などをとる。低木の茂みの中に巣をつくり、3個の卵を産む。ハワイ諸島では飼い鳥が野生化している。

[竹下信雄]

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百科事典マイペディア 「ソウシチョウ」の意味・わかりやすい解説

ソウシチョウ(相思鳥)【ソウシチョウ】

ヒタキ科の鳥。翼長7cm。チメドリ類の一種。背面は緑灰色で,翼中央に赤色斑紋をもつ。中国南部,インドシナ,インドに分布し,群生を好み,声が美しい。日本には飼い鳥として古くから輸入され,近年,野生化したものが各地で繁殖している。日本では外来生物法により特定外来生物に指定されている。

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