コトバンクはYahoo!辞書と技術提携しています。

外来生物 ガイライセイブツ

朝日新聞掲載「キーワード」の解説

外来生物

人間の活動によって外国から入ってきた生物。アライグマのようにペットとして持ち込まれて野生化したり、セアカゴケグモのように荷物について輸入されたり、とルートは様々だ。日本では2千種が確認されている。農作物を荒らす、元来の生態系を損なう、人に健康被害を及ぼすなどの問題がある。05年施行の外来生物法で、特定種は飼育や運搬、放流などが禁止された。

(2008-01-15 朝日新聞 朝刊 1総合)

出典 朝日新聞掲載「キーワード」朝日新聞掲載「キーワード」について 情報

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

外来生物
がいらいせいぶつ

過去、現在の分布域から、人為的に域外に導入されて、そこで野生化した動物・植物をはじめすべての生物を外来生物という。外来生物は古くは「帰化生物」とよばれていたし、「移入生物」ともよばれていた。外来生物を種単位でいえば、「外来種」である。
 外来生物は、導入から野生に放したり栽培・移植したりすることまで、すべて意図的になされた種や、飼育・ペットなど人の管理下に置く目的で導入されながら逃げ出したり捨てられたりした種など、きわめて多様である。
 外来生物は、本来そこにいた在来生物(種単位でいえば「在来種」)との間に摩擦、競合、交雑などを生じて、生態系を攪乱(かくらん)し、生物多様性に不可逆的で深刻な打撃を与えかねない。動物に限定していえば、近代から現代にかけての種の絶滅のもっとも大きな原因は「狩猟」「生息地の破壊」などをしのいで、「外来種」であるという分析もある。
 外来生物による環境破壊を食い止めることは地球規模の課題となっており、生物多様性条約(1993発効)では、締約国に害をなすおそれのある外来種の導入防止や撲滅を義務づけている。
 近年、日本でも外来生物は問題化しており、哺乳(ほにゅう)類では奄美(あまみ)大島、沖縄本島のジャワマングース、北海道、東京都ほか多数の府県にみられるアライグマ、鳥類ではソウシチョウ、ガビチョウ、魚類では全国的に放流されたオオクチバス、コクチバス、ブルーギル、爬虫(はちゅう)類ではミシシッピアカミミガメ、カミツキガメ、小笠原(おがさわら)諸島のアノールトカゲなど、植物では外来種タンポポ、セイタカアワダチソウ、オオブタクサ(クワモドキ)、ケナフ、コカナダモ、オオカナダモなどが知られているが、氷山の一角にすぎない。日本生態学会編の『外来種ハンドブック』(2002)には動物648種(昆虫類415種を含む)、植物1551種、寄生生物30種が記載されている。
 2005年(平成17)6月1日、ようやく外来生物法(正式には「特定外来生物による生態系等に係る被害の防止に関する法律」)が施行された。[永戸豊野]
『沖山宗雄・鈴木克美編『日本の海洋生物――侵略と攪乱の生態学』(1985・東海大学出版会) ▽桐谷圭治編『日本の昆虫――侵略と攪乱の生態学』(1986・東海大学出版会) ▽矢野悟道編『日本の植生――侵略と攪乱の生態学』(1988・東海大学出版会) ▽チャールズ・S・エルトン著、川那部浩哉・大沢秀行・安部琢哉訳『侵略の生態学』(1988・思索社) ▽鷲谷いづみ・森本信生著『エコロジーガイド 日本の帰化生物』(1993・保育社) ▽中村一恵著、谷口高司画『帰化動物のはなし』(1994・技報堂出版) ▽川道美枝子・岩槻邦男・堂本暁子著『移入・外来・侵入種――生物多様性を脅かすもの』(2001・築地書館) ▽秋月岩魚著『ブラックバスがメダカを食う――日本の生態系が危ない!』(宝島社新書)』

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

外来生物の関連キーワード特定外来生物被害防止法生態系被害防止外来種オオバナミズキンバイ外来生物被害防止法アメリカオニアザミタテジマフジツボハイイロゴケグモサンシャインバスアルゼンチン蟻アメリカミンク要注意外来生物侵略的外来種灰色後家蜘蛛オオカナダモタイワンザルナイルパーチニセアカシアウシガエル特定外来種遺伝子汚染

今日のキーワード

だまし面接

企業が面談や懇談会と称して就職活動中の学生を呼び出し、実質的には学生を選考する偽装面接のこと。2016年卒業の大学生に対する選考活動の開始時期を、従来の4月1日から8月1日以降へと後ろ倒しする主旨の「...

続きを読む

コトバンク for iPhone

コトバンク for Android

外来生物の関連情報