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若菜 わかな

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

若菜
わかな

地歌・箏曲の曲名。京風手事物。松浦検校作曲。箏手付は八重崎検校。作詞は大坂の前田某という。正月子の日の若菜摘みの情景を歌ったもの。構成は,前歌-手事 (手事・中チラシ・本チラシ) -後歌。前歌の初めにみられる母音を伸ばした歌い方は,声明 (しょうみょう) を取入れたものといわれる。前歌および後歌の最後において,歌と三弦が同旋律となるのも特徴。手事は『八重衣』の手事と類似しており,チラシは『新浮舟』のチラシと合う。三弦は二上り。箏は平調子。のんびりとした春らしい曲調が好まれる。なお,箏組歌『四の組』の第1曲目にも同名の曲がある。

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デジタル大辞泉の解説

わか‐な【若菜】

春に芽ばえたばかりの食用になる草。「若菜を摘む」
年頭の祝儀に用いる七種の新菜。古く宮中で、正月の初の子(ね)の日(のち7日)に、万病を除くとしてこれを羹(あつもの)にして食べる習わしがあった。
正月7日に七種の新菜を入れて作る餅粥(もちがゆ)。2の風習が民間行事化したもの。若菜粥。七草粥。 新年》

わかな【若菜】[書名・狂言]

源氏物語第34・35巻の巻名。上・下に分ける。光源氏39歳から47歳。女三の宮の光源氏への降嫁明石女御の皇子出産、柏木と女三の宮との事件などを描く。
狂言。和泉流果報者が仲間と野遊びに出かけ、若菜摘みに来た大原女(おはらめ)たちと出会って酒盛りとなる。

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世界大百科事典 第2版の解説

わかな【若菜】

日本の芸能,音楽の曲名。(1)狂言 女狂言。現在,和泉流にのみある。果報者が,同朋(僧形の近侍)のかい阿弥を連れて野辺へ遊びに出る。そこへ大原女たちが〈春ごとに君を祝ひて若菜摘む……〉と謡いながら通りかかる。果報者はその風情に心ひかれ,女たちを呼んで,ともに酒盛りをして,かわるがわる謡い舞う。やがて日も暮れたので,なごりを惜しみつつ別れを告げる。登場は果報者,かい阿弥の2人に大原女数人で,かい阿弥がシテ。

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大辞林 第三版の解説

わかな【若菜】

早春に萌え出る、食用となる草の総称。
正月、初の子の日(後には七日)に、摘んで食べたり贈ったりする草。春の七草の総称。平安時代、宮中で邪気を払い、万病を除くという七種の野草を摘み、内膳司から羹あつものにして献上した行事が民間に広まったもの。 [季] 新年。 → 七種ななくさ
源氏物語の巻名。第三四・三五帖。上下に分かつ。

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世界大百科事典内の若菜の言及

【七草】より

…後世これらを七草粥にして正月7日に食べた。若菜は初春の若返りの植物であり,古くは正月初子(はつね)の〈子の日の御遊び〉に小松引きや若菜つみを行い,それらを羹(あつもの)にして食べたりしたが,のちに人日(じんじつ)(正月7日)に作られるようになった。もとは正月15日に七種の粥といって,7種の穀物(米,アワ,ヒエ,キビ,アズキ,ゴマ,子(みの))で作った粥を供御とする風があり,これと子の日の若菜とが結びついて七草粥となったとされ,一方,望(もち)の日の七種粥は小豆粥になった。…

※「若菜」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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