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 タ

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デジタル大辞泉の解説

た[五十音]

五十音図タ行の第1音。歯茎の無声破裂子音[t]と母音[a]とからなる音節。[ta]
平仮名「た」は「太」の草体から。片仮名「タ」は「多」の初3画。

た[助動]

[助動][たろ|○|た|た|たら|○]《助動詞「たり」の連体形「たる」の音変化》活用語の連用形に付く。連用形が撥音便、およびガ行がイ音便となる場合には連濁で「だ」となる。
動作・作用が過去に行われた意を表す。「昨日出張から帰ってき
「時きぬとふる里さして帰る雁(かり)こぞき道へまたむかふなり」〈為忠集〉
動作・作用の完了を表す。「原稿をやっと書いよ」
「先陣が橋を引いぞ、あやまちすなと、どよみけれども」〈平家・四〉
実現していない動作・状態を仮に実現したと考えていう意を表す。「話が出時点で考えよう」「今度会っとき話すよ」
動作・作用の結果が存続している意を表す。…ている。…てある。「割れガラス窓から風が吹き込む」
「アル犬肉(ししむら)ヲ含ンデ川ヲ渡ルニ、ソノ川ノ真ン中デ含ン肉ノ影ガ水ノ底ニ映ッヲ見レバ」〈天草本伊曽保・犬が肉を含んだ事〉
動作・存在の確認の意を表す。「あれ、君はそこにいの」「坊やは今年いくつだっ
命令の意を表す。「さあ、どんどん歩い、歩い
決意を表す。「もうやめ」「よし、その品買っ
(「…たらどうか」「…たらいかがでしょうか」などの形で)助言したり提案したり勧誘したりする場合に用いられる。「この件は継続審議ということにしたらいかがでしょうか」
[補説]4は連体形の用法。567は、終止形の文末における用法。仮定形「たら」は、多く「ば」を伴わないで「雨が降ったら中止だ」などと使われ、「遅いからもう帰ったら」のように文末に用いられて8の意を表す。

た[係助]

[係助]係助詞「は」が直前の字音語の入声音(にっしょうおん)ツ・チと融合して音変化したもの。室町時代を中心に能・狂言・平曲などに行われたが、本文表記は「は」のままであることが多い。→[助詞]
「今日は(こんにった)瓜畑へ見廻うてようすを見うと存ずる」〈虎寛狂・瓜盗人

た[接頭]

[接頭]動詞・形容詞・副詞などに付いて、語調を整える。「ばかる」「やすい」「ゆらに」

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大辞林 第三版の解説

五十音図タ行第一段の仮名。歯茎破裂音の無声子音と後舌の広母音から成る音節。
平仮名「た」は「太」の草体。片仮名「タ」は「多」の末三画。

( 助動 ) ( たろ ・○ ・た ・た ・たら ・○ )
〔古語の完了の助動詞「たり」の連体形「たる」からの転。中世以降の語〕
動詞・形容詞・形容動詞および助動詞「れる・られる」「せる・させる」「ない」「たい」「らしい」「そうだ(様態)」「ようだ」「だ」「ます」「です」などの連用形に接続する。ただし、サ行以外の五段活用の動詞には、その音便の形に付く。また、ガ・ナ・バ・マの各行の五段活用の動詞に付く時は「だ」となる。
動作・作用が過去の事柄であることを表す。 「大昔、この辺一帯は海だっ」 「去年、北海道に移っ弟が、先月帰ってき
動作・作用が完了したことを表す。 「やっと手紙を書き終えまし」 「飛行機は無事着陸し」 「日はすっかり沈ん
物事が実現することを表す。 「何年ぶりかで当地方にも雪が降っ」 「一番になっ人には賞品をあげる」 「シャボン玉が屋根までとん
物事や事態の確認を表す。 「見ると、それは若いスマートな青年であっ」 「国境の長いトンネルを抜けると雪国であっ/雪国 康成
(連体形を用いて)動作・作用がすんで、その結果が状態として存在していることを表す。てある。ている。 「壁にかけ絵」 「弟の写し写真」 「とがっ鉛筆」 「整っ身なり」
(終止形を用いて)
強い決意・断言や軽い命令などを表す。 「承知しまし」 「わかっ、わかっ」 「邪魔になるから、そこをどい
疑問・質問などをもちかけることを表す。 「今度の会合は何日でし」 「上りの列車は何時だっ
仮定形「たら」は、接続助詞「ば」を伴わないで、それだけでも用いられる。
仮定条件を表す。仮にそうであるならば。もしそうなったらば。 「雨が降ったら、中止にする」 「電話があったらメモしておいてくれ」 「その本を読んだら早く返してくれ」
未来の確定条件を表す。 「春になったら暖かくなる」
遠回しに命令する意を表す。主として女性が用いる。 「早くお帰りになったら」 「後片付けだけはしといたら

入声音につしようおん[t]で終わる字音語を係助詞「は」が受けて連声を起こしたもの。能狂言などに多くみられるが、普通、表記面には表れない。 「夫ならば、求めませうが、代物は(=だいもっタ)いかほどで御座るぞ/狂言・粟田口 虎寛本」 「今日は(=こんにっタ)天気も能う御座るに依つて/狂言・雁礫 虎寛本

( 接頭 )
動詞・形容詞などに付いて、語調を整える。 「 -ばかる」 「 -やすい」 「 -ゆら」

( 連語 )
〔格助詞「と」に係助詞「は」の付いた「とは」の転。「たあ」と長音にもなる〕
とは。 「そんな意地悪するなら、もうおまえ-遊ばないよ」 「雨が降る-思わなかった」 → たあ(連語)

出典|三省堂
(C) Sanseido Co.,Ltd. 編者:松村明 編 発行者:株式会社 三省堂 ※ 書籍版『大辞林第三版』の図表・付録は収録させておりません。 ※ それぞれの用語は執筆時点での最新のもので、常に最新の内容であることを保証するものではありません。

日本大百科全書(ニッポニカ)の解説


五十音図第4行第1段の仮名。平仮名の「た」は「太」の草体から、片仮名の「タ」は「多」の初めの3画からできたものである。万葉仮名では「多、他、丹、駄、當、(以上音仮名)、田、立(以上訓仮名)」などが清音に使われ、「太、陀、大、嚢、娜(以上音仮名)」などが濁音に使われた。ほかに草仮名としては「(多)」「(堂)」「(當)」などがある。
 音韻的には/ta/(濁音/da/)で、上歯茎と舌との間で調音する無声破裂音[t](有声破裂音[d])を子音にもつ。東北地方や高知県などでは、「又(また)[mada]」「未(ま)だ[manda]」のように、t→d、d→ndに発音することもある。[上野和昭]

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