改訂新版 世界大百科事典 「ダイサギ」の意味・わかりやすい解説
ダイサギ (大鷺)
great white egret
Egretta alba
コウノトリ目サギ科の鳥。全長約85cm。全身白色で,シラサギ類の中のいちばん大型種である。ダイサギの名もそのためだが,アオサギよりは少し小さい。世界的に分布し,日本には,夏鳥または漂鳥として繁殖するものと,冬期に大陸から冬鳥として渡来するものとが生息する。前者は後者より少し小型で,チュウダイサギE.a.modesta(中大鷺)として区別されることがある。また,チュウダイサギの別名をコモモジロ(小腿白)という。しかし,亜種というのは分類学上の概念で,ふつうはダイサギとチュウダイサギを区別する必要はない。ダイサギはまれな鳥ではないが,コサギやチュウサギに比べるとずっと数が少ない。水田,湿地,湖畔,河口,海岸などにすみ,5~6月ころコサギ,チュウサギ,アマサギ,ゴイサギなどの集団に混じって繁殖する。食物は主として魚類とカエルやオタマジャクシなどである。
→シラサギ
執筆者:森岡 弘之
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報