ダゲスタン共和国(読み)ダゲスタン(英語表記)Dagestans

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ダゲスタン共和国」の意味・わかりやすい解説

ダゲスタン〔共和国〕
ダゲスタン
Dagestans

ロシア南西部,北カフカスにある共和国。 1921年自治共和国として設立,91年共和国となった。首都マハチカラ。南部は大カフカス山脈東部北斜面,北部はカスピ海沿岸低地のテレク川下流域とノガイステップから成り,東はカスピ海に面し,クマ川が北の境をなす。山地斜面は森林におおわれ,森林限界より上は山地草原山麓は森林ステップとなる。北部の低地は半砂漠地帯に入る。気候は概して温暖で乾燥し,低地の平均気温は1月が-3~1.4℃,7月は 24℃。河谷ごとに異なる民族が住むといわれる多民族地域で,ダゲスタン人と総称される人々が住民の4分の3近くを占める。ダゲスタン人の大半はダゲスタン諸言語を用いる民族であるが,チュルク語系民族なども含まれる。山地を除いた乾燥地帯でヒツジ放牧が盛んであるが,テレク川やクマ川などの河水を利用する灌漑農業も発達し,コムギトウモロコシ,コメ,野菜,ブドウその他の果樹などが栽培される。鉱工業部門では北部に石油,天然ガスの採掘のほか,食品 (果実・野菜缶詰,ワイン,水産加工) ,ガラス,機械,繊維,木材加工などの工業があり,南部の山地では絨毯や宝石細工などの手工業が盛ん。交通ロストフナドヌーアゼルバイジャンの首都バクーを結ぶ幹線鉄道ハイウェーアストラハンへ通じる鉄道,カスピ海の水運中心である。面積5万 300km2人口 185万 4200 (1991推計) 。

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