チェリモヤ(読み)ちぇりもや(英語表記)cherimoya

翻訳|cherimoya

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チェリモヤ」の意味・わかりやすい解説

チェリモヤ
Annona cherimola; cherimoya

バンレイシ科の常緑高木。ペルーエクアドル原産の熱帯性果樹で,中央アメリカやメキシコでは半野生状態になっている。 18世紀前半にヨーロッパへも伝えられた。葉は互生し,卵形ないし楕円形で上面に粗毛,下面に絨毛を生じ暗緑色である。花は腋生し,葉と対生する。果実はほぼこぶし大で,球形,心臓形,卵形など一定した形がなく,初め緑色であるが熟すると灰色になる。果肉は白いアイスクリーム状で強い芳香を放ち,糖分蛋白質が多く甘い。パイナップルマンゴスチンとともに世界の三大美果に数えられている。果実として食用にされるほか,薬用にもされる。属名はハイチ島の先住民の言葉から出たもの。ギュウシンリ (牛心梨) A. reticulata; custard appleも近縁の植物で果樹として栽培される。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「チェリモヤ」の意味・わかりやすい解説

チェリモヤ
ちぇりもや
cherimoya
[学] Annona cherimola Mill.

バンレイシ科(APG分類:バンレイシ科)の落葉低木。エクアドル、ペルーのアンデス中腹の亜熱帯地方原産。葉は短い葉柄があり、卵形または卵状披針(ひしん)形で長さ十数センチメートル、全縁で暗緑色をなし、裏面にビロード状の毛がある。花は葉腋(ようえき)に単生し、芳香があり、黄緑色で長さ約3センチメートル。花弁は6枚、内片は鱗片(りんぺん)状で小さい。果実は球形から心臓形で径10~15センチメートル、果皮はコルク質で鱗(うろこ)状に折り重なる。果肉は白色のクリーム状で芳香があり、甘酸っぱい。カスタードアップルの名でよばれ、生食される。

[飯塚宗夫 2018年7月20日]


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