チェルニー(読み)ちぇるにー(英語表記)Carl Czerny

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チェルニー」の意味・わかりやすい解説

チェルニー
Čzerny, Karl

[生]1791.2.20. ウィーン
[没]1857.7.15. ウィーン
オーストリアピアニスト,教育家,作曲家。ベートーベンに学び,幼少時から才能を発揮し,ピアニストとして将来を嘱望された。しかし内気な性格から,20代で演奏界から引退し,以後教育者としてリストや多くの音楽家を育てた。 1000曲をこえる作品は,宗教音楽劇音楽から交響曲まであらゆる種類に及ぶが,特に教育用のピアノ曲にすぐれたものが多く,なかでも op.849は『チェルニー 30番』,op.299は『チェルニー 40番』,op.740は『チェルニー 50番』として,日本でもピアノ学習者必修の教則本とされている。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「チェルニー」の意味・わかりやすい解説

チェルニー
ちぇるにー
Carl Czerny
(1791―1857)

オーストリアのピアノ奏者、教師、作曲家。ウィーンで音楽家の家系に生まれ、父にピアノを学び、10歳でデビュー。ベートーベンに認められその愛弟子(まなでし)として活躍したが、内気で、あがりやすい性格のため20代前半で演奏活動からは退き、以後教育と作曲に専念、ウィーン最高の教師として絶大な名声を得た。弟子にはリストがいる。初心者から専門家までを対象とする数多くの練習曲を残しており、その多くが今日も代表的なピアノ教則本として広く用いられている。

[大久保一]

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