翻訳|celesta
打楽器の一種。パリの楽器発明家ミュステルAuguste Mustel(1842-1919)が1886年に考案した。弦の代りに調律された金属板を共鳴箱に入れ,それをピアノ・アクションを単純化した槌で打つようにくふうされ,したがってピアノと同じに弾くことができる。金属板を打った場合,基音より高い倍音が強すぎて音楽効果を妨げることがあるが,この楽器では共鳴箱の振動が金属板の基音を補強するので強い倍音が消される。音勢は弱いが典雅で〈天国的なceleste〉響きがするところからこのように名づけられた。音域は1点ハから4オクターブ上までで,記譜はオクターブ低く記される。チャイコフスキーのバレエ音楽《くるみ割り人形》の中の金平糖の踊りは,この楽器を使った曲として有名。ほかにバルトークが《弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽》(1936)を書いている。
執筆者:有賀 誠門
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鍵盤(けんばん)付きの鉄琴ともいうべき楽器で、外観はリード・オルガンに近い。セレスタともいう。パリのオルガン製作者ミュステルAuguste Mustelが1886年に考案し、特許をとった。木製の共鳴箱につけられた鉄琴を鍵盤に連結したハンマーで打って発音し、ペダル操作で音を止める。音色は鉄琴よりも繊細である。最初はC4から四オクターブの音域(記譜は一オクターブ下)であったが、現在ではより広音域のものや、弱音ペダル付きのものもある。
チャイコフスキーのバレエ音楽『くるみ割り人形』(1891~92)の「こんぺい糖の踊り」や、バルトークの『弦楽器、打楽器、チェレスタのための音楽』(1936)が有名。
[前川陽郁]
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