チェレスタ(その他表記)celesta

翻訳|celesta

デジタル大辞泉 「チェレスタ」の意味・読み・例文・類語

チェレスタ(〈イタリア〉celesta)

鍵盤けんばんつき打楽器の一。外見は小型のアップライトピアノに似るが、発音原理は鉄琴と同じで、鍵盤を押すとハンマーが金属製の音板をたたいて音を出す。

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精選版 日本国語大辞典 「チェレスタ」の意味・読み・例文・類語

チェレスタ

  1. 〘 名詞 〙 ( [イタリア語] celesta ) 鍵盤つき打楽器一つ外形リードオルガン状であるが、鍵盤につながるハンマーが鋼鉄の音棒を打って音を出す。音色は優美で鉄琴に似ている。セレスタ

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改訂新版 世界大百科事典 「チェレスタ」の意味・わかりやすい解説

チェレスタ
celesta

打楽器の一種パリの楽器発明家ミュステルAuguste Mustel(1842-1919)が1886年に考案した。弦の代りに調律された金属板を共鳴箱に入れ,それをピアノ・アクションを単純化した槌で打つようにくふうされ,したがってピアノと同じに弾くことができる。金属板を打った場合,基音より高い倍音が強すぎて音楽効果を妨げることがあるが,この楽器では共鳴箱の振動が金属板の基音を補強するので強い倍音が消される。音勢は弱いが典雅で〈天国的なceleste〉響きがするところからこのように名づけられた。音域は1点ハから4オクターブ上までで,記譜はオクターブ低く記される。チャイコフスキーのバレエ音楽《くるみ割り人形》の中の金平糖の踊りは,この楽器を使った曲として有名。ほかにバルトークが《弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽》(1936)を書いている。
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百科事典マイペディア 「チェレスタ」の意味・わかりやすい解説

チェレスタ

小型の鍵盤(けんばん)楽器。音域は4オクターブで,キーを押すとハンマーのコルクが鉄の板をたたいて,澄明な音を出す。鉄琴に似るが,共鳴箱がついているのが特徴。1886年パリのオルガン製作者A.ミュステル〔1842-1919〕が考案し特許を取得。オーケストラで用いられることが多く,チャイコフスキーの《くるみ割り人形》(1892年)中の〈金平糖の踊り〉は,この楽器を用いた最初期の例。バルトークの《弦楽器と打楽器とチェレスタのための音楽》のように作品のタイトルに用いられた例もある。

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「チェレスタ」の意味・わかりやすい解説

チェレスタ
celesta

小型のアップライト・ピアノに似たオーケストラ用の鍵盤楽器。セレスタともいう。パリの楽器製作者オーギュスト・ミュステルが 1886年に特許を取得した。鍵盤の下に金属音板(鉄琴)が配置され,単純な打鍵機構を利用して小型のハンマーフェルトが音板を叩く。音板が発する基本波(成分音)を増幅するため,それぞれの音板の下に木製共鳴器が設置されている。ペダルを踏むと,音板を押さえているダンパーがもち上がり,音を伸ばしたり弱くすることができる。標準的な音域は,中央ハから上へ 4オクターブ。音板の代わりに音叉を使用した,チェレスタより音色が柔らかい類似の楽器ダルシトーンが,誤ってチェレスタと呼ばれることもある。ダルシトーンは,ミュステルの父ビクトールが 1865年に発明し,改良を加えたのち 1868年に特許を取得した。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「チェレスタ」の意味・わかりやすい解説

チェレスタ
ちぇれすた
celesta イタリア語
célesta フランス語

鍵盤(けんばん)付きの鉄琴ともいうべき楽器で、外観はリード・オルガンに近い。セレスタともいう。パリのオルガン製作者ミュステルAuguste Mustelが1886年に考案し、特許をとった。木製の共鳴箱につけられた鉄琴を鍵盤に連結したハンマーで打って発音し、ペダル操作で音を止める。音色は鉄琴よりも繊細である。最初はC4から四オクターブの音域(記譜は一オクターブ下)であったが、現在ではより広音域のものや、弱音ペダル付きのものもある。

 チャイコフスキーのバレエ音楽『くるみ割り人形』(1891~92)の「こんぺい糖の踊り」や、バルトークの『弦楽器、打楽器、チェレスタのための音楽』(1936)が有名。

[前川陽郁]

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音楽用語ダス 「チェレスタ」の解説

チェレスタ[celesta(伊)]

鍵盤アクションをもつ打楽器。外観はハルモニウムに似ており、金属製の音板が音階的に配列され、木製の共鳴箱が付随している。音量は大きくはなく、鉄琴にも似た音だが、鉄琴よりも柔らかで余韻もやや長く、澄んだ美しい音を発する。1886年にパリのオルガン製作者ミュステルが考案して特許を得た。現在では弱音ペダルが付いているものや、マイクとアンプを内蔵しているものもある。

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