つぐら(読み)ツグラ

デジタル大辞泉 「つぐら」の意味・読み・例文・類語

つぐら

わらを編んで作った容器保温のために飯櫃めしびつを入れたり、幼児を入れたりする。いずめ。

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精選版 日本国語大辞典 「つぐら」の意味・読み・例文・類語

つぐら

  1. 〘 名詞 〙
  2. わらで編んでつくった器。飯櫃(めしびつ)などを保温のために入れる。また、幼児を入れる地方もある。〔俚言集覧(1797頃)〕
  3. 射芸で、わらむしろを巻き、垜(あずち)の代わりに小口に小さい的を立てるのに用いるもの。
    1. [初出の実例]「あづち高下と云は、小的にかぎりたる事也。的立べき物なきあひだ、つぐらといふ物をくみて立也」(出典:射御拾遺抄(1422))
  4. 腰掛一種か。また、曲物(まげもの)をいう武蔵相模方言という。〔随筆松屋筆記(1818‐45頃)〕

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改訂新版 世界大百科事典 「つぐら」の意味・わかりやすい解説

つぐら

わら製の保育用具。イヅミとか,エジコなどともよぶ。大小いろいろに作って冬期には飯の保温用にも使う。イヅミは飯詰の意である。秋田ではイヅミ,青森・岩手ではイヅコ,エジコ,信州北部から越後にかけてはツグラ,フゴ佐渡ではコシキ,東海地方ではエジメクルミ,三重県ではヨサフゴという。イヅミは多く中部地方から東北地方の寒い地方で使われている。ところによって製法や形が少しずつちがっているが,多くわら製で臼型に作り,底にわらをしきその上にもみがら,木炭灰などをあつくしき,子どもの着ものをまくっておむつのまま座らせふとんで包む。人手のない農村では,乳児ははい出すまでこの中に入れて育てられた。冬は日光のあたるところにおくが,昼間は抱き上げることが少なく,泣くと揺り動かしてやる。秋田県には木製のものがあり,埼玉県には竹製のユリカゴがある。ツグラは1日でこしらえ上げないと子が育たぬといい,からのまま運ぶのを嫌う。他家から借りてくるときは中へ小石を一つ入れる。生児を三日祝いまたはお七夜に,初めてツグラに入れて祝いの席に着かせるイヅミスエの風もある。
揺籃(ゆりかご)
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百科事典マイペディア 「つぐら」の意味・わかりやすい解説

つぐら

乳児を入れておく籠(かご)。保温用飯びつ入れと同形のため,いづめ(飯詰)ともいう。人手のない時,子どもを入れて炉辺や田のあぜに放置し,つるして揺籃にもする。秋田県男鹿半島では桶(おけ)を用い,底にもみがら,灰,むしろ,海藻などを敷く。

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日本大百科全書(ニッポニカ) 「つぐら」の意味・わかりやすい解説

つぐら

えじこ

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