七夜(読み)しちや

ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典の解説

七夜
しちや

出産後7日目の祝い。地方によってヒトウブヤ,オヤノイワイ,オキビなどともいい,一応産婦が床上げをする日として,親の産の忌が晴れる一つの段階とみる例が多い。長崎県北松浦郡小値賀町では,この日をヒサラエといって,出産でけがれた家の火を改める。一方,昔は夜までに生児が死亡する場合が多く,七夜は生児の生存への一つの大事な段階であった。この日に生児に命名し,親と子の両方の祝いの意味をこめて,産婆,仲人,親戚などを招いて披露の祝いをする例は多い。古く平安時代の宮廷,公家では,誕生の初夜以後,3,5,7,9の奇数日に祝いがあったが,そのなかの七夜の祝いが一般家庭の行事として残ったもの。

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デジタル大辞泉の解説

しち‐や【七夜】

7日目の夜。7日目の晩。
子供が生まれて7日目の夜。命名など種々の祝いの行事をする。お七夜

なな‐よ【七夜】

7日間の夜。七晩。また、数多くの夜。
「月重ね我が思ふ妹(いも)に逢へる夜は今し―を継ぎこせぬかも」〈・二〇五七〉
子どもが誕生してから7日目の夜の祝い。おしちや。
「たけならぬ二葉の松のおひ初めてこよひ―になりにけるかな」〈永久百首〉

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百科事典マイペディアの解説

七夜【しちや】

産後7日目の祝い。お七夜とも。出産の忌が一部または全部明ける日とされ,親族・知人を招いて祝宴を行う。生児の名を披露したり,初出(ういで)・出初(いだしはじめ)と称して生児を初めて屋外に出し,竈(かまど)神,厠(かわや)神に参らせるなど,その行事は地方により様々。皇室では鳴弦(めいげん)の儀が行われる。なお仏教徒間では報恩講をお七夜と呼ぶ。

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世界大百科事典 第2版の解説

しちや【七夜】

生後7日目の祝い。出産儀礼のうち最も重要なものの一つで,産婆,近親者などを招いて小宴をはり,贈答がなされる。七夜に行われる行事は地方によっていろいろで,この日に生児の命名(名付け)を行い,ナビラキの祝をする地方は多い。現在も生児の命名は七夜までに行われている。またヒトウブヤ,オヤノイワイ,枕下げなどといって,産婦の忌明けの祝を主としているところも多い。産婦の忌の晴れていく最初の段階であって,父親の忌は一般にこの日で明けるとされている。

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大辞林 第三版の解説

しちや【七夜】

七日目の夜。また、七日間の夜。
子供が生まれて七日目の祝いの夜。お七夜。

ななよ【七夜】

七日間の夜。七晩。
おしちや」に同じ。

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日本大百科全書(ニッポニカ)の解説

七夜
しちや

生後7日目の祝い。現在も生児の命名は七夜までに行われている。古くはウブヤシナイといって、出生当日を初夜、ついで三夜、五夜、七夜、九夜を祝ったが、その後ほかは廃れて七夜のみとなった。地方によって七夜をヒトウブヤ、オヤノイワイ、オキビ、ヒサラエなどといい、産婦が床上げをする日としている所は多く、産婦の忌みが晴れる第一段階としている。父親の忌みはこの日で晴れるとする所が多い。この日生児に命名をし、名広めの祝いとして産婆、仲人(なこうど)の女親(仲人の妻)、親戚(しんせき)などを招いて祝う。名前は一般に父親がつけるが、名付け親を頼む場合もある。昔は生児が七夜までに死亡する場合が多く、七夜はその成長を確かめるだいじな折り目でもあった。この日をウイデ、デゾメなどといって、生児の初外出として、家の神、竈(かまど)神、井戸神などに参る風が広くみられる。関東から中部地方にかけては便所神に参る風習がある。[大藤ゆき]
『「家閑談」(『定本柳田国男集15』所収・1963・筑摩書房) ▽恩賜財団母子愛育会編『日本産育習俗資料集成』(1975・第一法規出版) ▽大藤ゆき著『児やらい』(1968・岩崎美術社) ▽松岡利夫著『人生儀礼』(1962・吉川弘文館)』

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精選版 日本国語大辞典の解説

しち‐や【七夜】

〘名〙
七日間の夜。また、七日目の夜。
※車屋本謡曲・弓八幡(1423頃)「七日、七夜の御神楽、まことに天も納受し」
② 子が生まれて七日目の祝い。また、その日。枕引き。ななよ。おしちや。〔新儀式(963頃)〕
※源氏(1001‐14頃)柏木「七夜は内より、それもおほやけざまなり」
③ (「お七夜」の形で) 親鸞の正忌日に行なわれる報恩講。また、その第七夜。

なな‐よ【七夜】

〘名〙
① 七日間の夜。七晩。また転じて、数多くの夜。
※万葉(8C後)一〇・二〇五七「月重ね吾が思ふ妹に会へる夜は今し七夕(ななよ)を継ぎこせぬかも」
② 子の誕生した日から七日目の祝い。おしちや。
③ たなばた。
※歌謡・松の葉(1703)三・有馬「星になりたや七夜の星に」

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世界大百科事典内の七夜の言及

【育児】より

…生まれたばかりの子どもは,霊界ともいうべきところからこの世に取り上げられてまもないため,非常に不安定な状態にあると考えられた。とくに生後3~7日目まではその心配が最も大きく,三日祝や七夜は生児がこの世に生存するか否かの第一段階ともみられた。生後すぐはぼろにくるみ,胎毒下しと称してマクリなどを飲ませておき,三日祝のときに産着を着せ,同じころに産をした異性の子をもつ人の乳を〈乳つけ〉として与えてもらった。…

※「七夜」について言及している用語解説の一部を掲載しています。

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