ツボクサ(読み)つぼくさ

日本大百科全書(ニッポニカ) 「ツボクサ」の意味・わかりやすい解説

ツボクサ
つぼくさ / 壺草
[学] Centella asiatica (L.) Urban

セリ科(APG分類:セリ科)の多年草。茎は長く地面をはう。葉は円形で径2~5センチメートル、光沢がある。5~8月、頭状の単散形花序をつくり、淡紅紫色花を開く。山野に生え、新潟および茨城県以西の本州から沖縄、小笠原(おがさわら)、および熱帯アジア、アフリカなどに分布する。中国では全草を薬用とする。

 チドメグサ属に似るが、ツボクサ属は果実に網目状の脈があり、葉柄の基部が鞘(さや)となり、托葉(たくよう)がないので、チドメグサ属とは異なる。南アフリカを中心に世界に40種あり、日本には1種のみが分布する。

[門田裕一 2021年11月17日]

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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「ツボクサ」の意味・わかりやすい解説

ツボクサ(壺草)
ツボクサ
Centella asiatica

セリ科の多年草。北半球暖温帯から熱帯にかけて広い分布をもち,オーストラリアにも知られる。日本では各地の路傍野原,やや湿った丘陵地などに生える。茎は長く地面をはい,節からひげ根を出す。葉は各節に数枚集ってつき,径3~5cmの横長のゆがんだ円形で基部は心臓形をなし,縁には鋭い鋸歯がある。6~8月に,葉腋につく短い柄の先に数個の小花が集ってつく。花後,径2~3mmの扁球形の果実をつくり,表面に網目状の隆起が目立つ。

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