テヘラン会談(読み)てへらんかいだん

日本大百科全書(ニッポニカ) 「テヘラン会談」の意味・わかりやすい解説

テヘラン会談
てへらんかいだん

第二次世界大戦中の1943年11月28日から12月1日にかけて、イランの首都テヘランTeheranで開かれたルーズベルトチャーチルスターリンのアメリカ、イギリス、ソ連の三国首脳会談。おもな合意事項は、(1)米英両国がヨーロッパ大陸西部に、いわゆる「第二戦線」を設置する期日は44年5月とする、(2)ユーゴスラビアにおけるチトーパルチザン援助する、(3)トルコの参戦を勧告する、(4)ソ連は機をみて対日参戦を行う、(5)イランの独立を保障し援助を与える、などであったが、このほか、戦後ドイツの国境と分割について米英側から提案があった。この会談は、スターリングラードの戦い(1942.7~43.1)でソ連が勝利を得て以来、東部戦線でソ連が優勢となり、ドイツの敗戦が予想されるなかで、改めて米英にソ連と軍事的・政治的調整を図る必要が生じたため開かれたものである。

[藤村瞬一]

出典 小学館 日本大百科全書(ニッポニカ)日本大百科全書(ニッポニカ)について 情報 | 凡例

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