トダシバ(読み)とだしば

日本大百科全書(ニッポニカ) 「トダシバ」の意味・わかりやすい解説

トダシバ
とだしば / 戸田芝
[学] Arundinella hirta (Thunb.) C.Tanaka

イネ科(APG分類:イネ科)の多年草。根茎は発達し、地中をはう。稈(かん)は株立ちし、葉は多少毛がある。8~10月、稈頂に円錐(えんすい)花序をつける。小穂は長さ3.5~4.5ミリメートル、2個の小花があり、芒(のぎ)はあってもごく短い。第4穎(えい)は小さく、基部に短い束毛がある。日当りのよい丘陵に普通に生え、北海道から九州、および朝鮮半島、中国、ウスリーに分布する。名は、東京近郊の戸田ヶ原(現、埼玉県戸田市の荒川流域)に多くみられたことによる。

[許 建 昌 2019年9月17日]


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ブリタニカ国際大百科事典 小項目事典 「トダシバ」の意味・わかりやすい解説

トダシバ(戸田芝)
トダシバ
Arundinella hirta

イネ科の多年草。バレンシバともいう。日本全土,ウスリー地方,中国,北インドの温帯から暖帯にかけて広く分布し,草原に普通にみられるやや大型の草。地下茎を横に長くはわせ繁殖して群生する。茎は細い円柱形で高さ 1m以上にもなり硬く直立する。葉は幅広く線形で硬く,基部は葉鞘となり毛をもつものが多い。夏から秋にかけて,茎頂に緑または帯紫色のまばらで長い円錐花序をつける。和名は荒川の戸田ヶ原 (埼玉県戸田市) に大きな群落があったことによる。

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