干し昆布を削ったもの。削り昆布ともいう。原料としてはマコンブやリシリコンブの高級品が使われ,これらを酢に浸して柔らかくしてから削る。削る部位と削り方によって,いくつかの製品がある。黒とろろは表面の黒い部分だけをのこぎり状の刃を用いて糸状に削るもので,芯の白い部分が出てくるとやめる。黒とろろを削りとったあとのものが白板昆布で,祝儀用に使われる。白とろろは白板昆布を,黒とろろ同様に削ってつくる。おぼろ昆布は,白板昆布を薄く紙のように削ったものである。とろろ昆布はすまし汁に入れたり,握飯を包んだり,そのまま湯に浮かせ,しょうゆを落とすなどして食べる。栄養価は高くないが,ヨードその他のミネラルを多く含む。
→コンブ
執筆者:小室 康
出典 株式会社平凡社「改訂新版 世界大百科事典」改訂新版 世界大百科事典について 情報
昆布加工品の一種。昆布に酢をふりかけて1日ぐらいねかせ、柔らかくし、糸状に削ったものである。帯状に薄く削ったものはおぼろ昆布という。手工業ではあるが、多くつくられるようになったのは江戸初期からで、歴史は古い。敦賀(つるが)(福井県)、大阪市、京都市などに加工工場が多い。とろろ昆布には黒とろろと白とろろがある。黒とろろは、酢で処理した昆布を幾枚も重ねて圧搾し、葉全体を細く削ったものである。白とろろは、昆布の表面の黒い部分を削って黒おぼろをつくったあとの、白い芯(しん)の部分を削ったものである。マコンブ、ミツイシコンブ、リシリコンブなどが用いられ、各材料によって製品の風味が異なる。しっとりした感じのものが良品である。以前は包丁を使って手で削っていたが、現在はほとんど機械で削っている。そのまま握り飯や箱ずしに巻いたり、椀(わん)に入れ、湯を注いでしょうゆを落とし、澄まし汁などにして用いる。
[河野友美・大滝 緑]
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