日本大百科全書(ニッポニカ) 「ドラッグデザイン」の意味・わかりやすい解説
ドラッグデザイン
どらっぐでざいん
drug design
物質の化学構造に着目、一部をかえることにより、有効な医薬品をつくりだす手法。コンピュータで物質の立体構造を表現することが可能になり、たんぱく工学や合成技術の進歩で実用段階に入った。従来は動植物などの成分を手当り次第に調べ、有効物質をみつけていた。これだと偶然の要素が強く、実用化できる確率は非常に小さいため、開発コストも高くつく。これに対して、ドラッグデザインはウイルスなど病気の原因に直接作用する分子構造を推定して、新薬を一から設計する。開発コストを低くできるほか、自然界にない物質をも医薬品化できる。エイズ薬など欧米ではすでにいくつも成功例が報告されている。
[田辺 功]
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